２５７話＊文字数足りない ページ37
その瞬間、私の背後にいた鬼が吸い込まれるように不死川さんの血に狙いを定める。
けどこの鬼、明らかに動きが遅くなってるんだよね。例えるなら千鳥足みたいに。
不死川さんはそれを無表情で呼吸も使わず斬りつける。
え、どういうこと？何が起きた？
『えーっと、鬼に気づかなくてごめんなさい』
「礼には及ばねェ。俺も気づかなかったし気配遮断の血鬼術持ちだなこいつはァ」
『あ、そーなんですね、よかった〜』
血鬼術持ちってことは相当血を与えられてるハズだけど、ここにはそのレベルの鬼がうじゃうじゃいるってこと？
シンプルに嫌〜
『じゃなくて！！！ま、ままま稀血？！不死川さんが？！』
「胡蝶に聞いてなかったかァ？」
『初耳ですよ！！！』
で、でもそう言えば稀血の鬼殺隊員もいるって言ってたっけ……結局伊之助のせいで誰かはわからなかったけど。
いやまじでさっきから驚きのオンパレードだよ！！
心がちっとも休まらない！！
「おう。零藤のような特別な力はねェが俺も稀血の中の稀血だァ。普段から手強い鬼はこうやって酩酊させてから狩ってるなァ」
そ、そんな最重要機密みたいなのを私に話して良いんだろうか。
本人全然気にしてなさそうだから良い……のかな？
『ん？不死川さんが稀血ってことは玄弥もなんですか？』
「いや、零藤は稀血の“血筋”だが他の稀血は違ェからなァ。アイツはただの一般人だ……呼吸も使えねェ、ただの子ども」
不死川さんは虫の息である鬼の体の上にドカッと座ると、呻くように、呟くように言う。
「本当に、ただの子どもなんだァ……だから、アイツは鬼殺隊に入る必要なんてなかった。俺のことなんか忘れてどこかで所帯を持って平和に暮らしていれば、俺はそれで……」
それは、初めて聞く不死川さんの悲痛な嘆きだった。
ひとつの組織の上官のものでも、血管に氷が通ってるみたいな冷酷な鬼狩りのものでもない、ただひたすら弟の幸せを思う兄の、哀しい哀しい嘆き。
「嗚呼、クソッ、こんな話するつもりじゃなかったんだけどなァ！お前があんな蛆虫みてェなやつを実兄と間違えるからだ！」
『はァーー？！こっちだって間違えたくて間違えたわけじゃないですぅー！冷静になって考えて見ればアイツ、見た目そっくりだけど一人称も性格も全然違ったし！』
思わずムキになって反論すれば、不死川さんは「冗談だ」と笑いながら、椅子にしていた鬼の頸をノールックで落とす。
いや地味に凄いなこの人。
２５８話＊手ぇ叩いただけで烏呼べるとか→←２５６話＊ファンブル！！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 844人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います！！ (2022年6月7日 23時) (
レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい！もちろんですよ〜！！お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今２３１話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか？((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので！これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀｀*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
