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253話*お館様がわからない ページ32

言いたいことはたっくさん、星の数ほどあるけど今口答えしている暇はない。

私は抜刀の妨げにならないよう彼らの三歩後ろを走る走る。




零藤死亡発言のときも思ったけど、私にはお館様がわからない。
私に一体何が出来るというのだろう。それに私、自意識過剰かもだけど何だかお館様に贔屓されてるような気もするし。


私、鬼殺せないし特筆できるところと言えば鬼用バフ持ちってことだけのただの人間の女子なんだけど?!?!
あの人はマジで何の期待をしてるのさ???!!





***



「見えたっ産屋敷邸!」




道無き道を走り続け、元々みんなよりスタミナのない私の足が疲れを感じてきた頃。
私は炭治郎の声に顔を上げた。
────その刹那、爆音。



『は……?!』





灰が舞い、血が、肉が焼け付く匂いが鼻腔を刺激する。

今、何かおきた?
産屋敷邸が、爆破、された?


一体何が。


いくら宇髄さんの技でもこれほどの威力は持たない。
じゃあ、産屋敷邸を襲った鬼の血鬼術?



私が動けないでいる間にも、炭治郎と義勇さんは臨戦態勢に入り、なぎ倒された木々を跨ぎながらも屋敷の方へ駆けていく。

義勇さんに来いと言われたのだ。私も続いた方がいいとは頭では考えているものの、手足は動いてはくれなかった。


これは混乱のせいか、それとも恐怖のせいか。





これまで経験した中で最も強い鬼の気配。
横たわる大木のせいで視認は出来ないが、標的は屋敷の方にまだいるらしく、他八名の姿が確認出来た。


それから女性が叫んでいるような声も聞こえた気がしたけど、屋敷が燃え盛る音なのか、蜜璃ちゃんかしのぶさんの声なのか上手く判別出来ない。



こんなんじゃ駄目だ!せっかく、せっかく訓練をつけてもらったのに!少しはみんなの役に立つと決めたのに!

集中しろ、A!





「────!」




嗚呼、今度は聞こえた。これは悲鳴嶼さんの声だ。
悲鳴嶼さんが怒鳴っている。私達に何かを伝えようと声を張り上げている。



「───そこにいるのは無惨だ!!奴は頸を斬っても死なない!!」
『!嘘、』



そんな、よりにもよって鬼の始祖がいるなんて!
私の記憶が正しければ、確かアイツは私を生け捕りにしようとしているはず。


身を守らなければ。あっちからは私は見えないはず……!



そう思って踵を返した刹那、再びの爆音。
思わず目を瞑り、再び目を開けると────




「久しぶりだな、遘√ヮ螯ケ」



そこには、兄が立っていた。

254話*私の最愛→←252話*幼女かな



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天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います!! (2022年6月7日 23時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい!もちろんですよ〜!!お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今231話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか?((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので!これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀`*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅乱 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月4日 16時

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