241話*私の勝利条件 ページ17
恐る恐る振り向くと、そこには目を細めた悲鳴嶼さんが。
き、気づかなかった……!
『えっとこれは……その、そのですね。私の知的好奇心が……』
「岩を動かしたのか……梃子の原理で」
『あッやっぱ駄目ですよねーーーッ!ごめんなさい今戻すんで!』
けどどうやって戻そう。また木から飛び降りるしかないよね。
待ってそれだとまた木に登らないと!め、面倒くさァ!!
「いや、待て。君は何か勘違いしているようだが私は怒っていない……ただ、懐かしいと思っただけだ」
『は、はい?』
じゃあさっき目を細めたのって呆れてたんじゃなくて懐かしがってたってこと?
よ、よかった……鬼殺隊最強に説教受けるはめになるんじゃないかとヒヤヒヤした……
「昔、蟲柱と元花柱……しのぶとカナエにもこれをさせたことがあった」
『こ、こんな巨大な岩を動かすよう言ったんですか?』
「嗚呼……鬼殺隊になりたがる二人を止める為、どうせ無理だろうと言う気持ちで試練を与えた……そうしたら」
あ、悲鳴嶼さんの口が少し綻んだ。
「あの二人も、梃子の原理を使って岩を動かした……」
あれ、すぐ元の顰めっ面に戻っちゃった。
でも悲鳴嶼さんにとってその二人との思い出は本当に大切なものなんだろうなぁ。
だって、あんなに優しい顔をするんだし。
“鬼殺隊最強”のちょっと違う一面を見れたような気がして思わず顔がニヤけてしまう。
「……そうだ、A。君にはこれを聞いておかなければと思っていた」
『!何ですか?』
おっと、ここからは真面目な話っぽい。
思わず反射的に背筋を伸ばしてしまう。
「君は鬼に復讐したいわけでもなければ鬼狩りしか生きる術がないわけでもない……なのに何故、強くなろうとする?何故、こんな常人なら音を上げてもおかしくない訓練に耐えようとする?……何故、諦めない?」
た、確かにそうなんだけど……
それにしたってその言い方は私を美化しすぎじゃないだろうか。音なんてとっくに上げてるわけだし。
まぁその質問なら答えはひとつなんだけども。
『生きて家族と再会するためです。それから満身創痍にならないため。私の弟はすぐ泣くから、私が傷だらけで帰ってきたら絶対泣いちゃいますし……』
えーと、話が上手くまとまらない……こう言うので格好良く名言が出てくる人って凄いよね。
242話*鞍馬の天狗じゃねぇんだぞ→←240話*めっちゃうろ覚え
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天弥(プロフ) - 紅鮭@さぶさん» 有難う御座います!! (2022年6月7日 23時) (レス) id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@さぶ(プロフ) - 天弥さん» お返事遅れちゃってごめんなさい!もちろんですよ〜!!お友達申請しておきますね٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月7日 22時) (レス) @page6 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
天弥(プロフ) - 今231話までを見て思ったことを言います。………主様、知り合いになって頂けませんか?((( (2022年6月6日 11時) (レス) @page6 id: 6363332534 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 人には塩対応されるけど鬼には愛され(笑)る系女子、それが零藤ですので!これからも霹靂一閃並のスピードで進んで行きますのでよろしくです(´∀`*) (2021年7月25日 6時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 数年ぶりにあった初孫…じわじわきました(笑)黒死牟さんがお祖父ちゃんなら、上弦の三と二は親戚の叔父さんとか従兄弟とかですかねぇ。展開にワクワクしてきました。続きが気になりますっ!…というか不死川さんって…… (2021年7月24日 13時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
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