人には愛されたいけど鬼には愛されたくなかった。/陸【鬼滅の刃】

２３８話＊博多いい所だよね ページ14

「へぇ〜……前から思ってたけどAちゃんの故郷は変わった言い回しが多いよね。もしかして港町とか？」
『え』
「嗚呼、それは俺も思っていたな」



あ、そっか。私、みんなに正確にはどこから来たか伝えてないもんね。

そりゃあ百年ぐらい未来から来たんだし、善逸達から見たら私は相当変な言葉遣いなんだろうなぁ……



「港町……横浜とか？でも遠いところって言うんなら博多とかか？」
「バッカ炭治郎、博多ってここから徒歩で来れる距離じゃないだろ？！明らかに遠すぎるだろ！」
『いや、もっと遠いよ』


思わず口をついて出た私の言葉に、二人が驚いたように振り向く。


「え……い、嫌々、博多より遠いってどこよ！？海外？！海外から来たのAちゃん！そんな純日本人みたいな顔してるのに！！！」
『地味顔で悪かったな！！』


善逸って地味に対私と炭治郎、伊之助にのみ煽りの呼吸習得してるよね！
他の女の子にはそんなこと言わないくせに！！

いや、日本人顔をdisってるわけじゃないけどさァ……明らかに日本人離れした派手な顔立ちの方々に囲まれてる身としましては心に刺さるものがあると言いますか……


「え、」


そんなもごもごしてる私を気にも止めず、炭治郎そう呟くように言うと、ずいと私に顔を近づける。



「じゃあAはどこから来たんだ？」



私の、故郷……まぁこの炭治郎と善逸のノリなら言っても流せるかな。



『うーんと……異世界？』



少年漫画でよく見るミステリアスなヒロインよろしくちょっと笑ってそう言ってみれば、二人共目を大きく見開いたまま固まってしまった。


待って待って待って、予想してた反応と違う。


私、「そんなわけないだろ〜！またまた〜！！」みたいなテンションを予想してたのに何この空気、気まずッッッ！！！



『えっその、あの……な、なんちゃって！！前方5000メートル先にしのぶさんの鴉視認したから行ってくるね！ではまた！！』
「ちょ、待っ、せめてもう少し人間らしい言い訳をしなさい、A！」



炭治郎のツッコミは聞かなかったことにして、兎に角獣道を走る走る。

くそぅ、本当に険しいなこの道！！山伏でもあるまいしなんでこんな場所に家建てようと思っちゃったの！！

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