第七幕/我ら、もつれたヒロインズ ページ41
「変えられないから運命なんだ
だから、無謀な賭けはおやめなさい」
何処かの世界の物知りな男が言う
…あぁ、ヘルエレガル
貴方の言う通りだった
第七幕/我ら、もつれたヒロインズ
カツン、と履きなれたヒールが床を鳴らす
観念して取り外したベールは床に捨て、私は苦労して纏めあげた髪の毛を解いた
「そうちょう…？」
『はい』
この世界の"私"が私を見上げる
小さな問いに、私は確かに頷いてみせた
『総長サラウォート
……真の名を、A･ガーランドと申します』
あちこちから息を呑む声が聞こえた
特に反応を示したのは＿＿＿愚王アルフレッド
「な、何を馬鹿な！貴様ら二人して私を揶揄っているのか！！」
混乱するのも仕方ない
取り乱すのも致し方ない
『…ところで、この世界の私の父よ』
私は方向転換し、喚く男へ寄った
『ずっと殴り飛ばしたかったんだ……お前のその』
傲慢なツラを
＿＿＿ゴギャッ！！
鈍い打撃音が響く
私の右拳は王の顎を容赦なく打ち抜いていた
『決まったな、アッパーカット』
カンカンカン！と脳内でゴングのファンファーレが鳴る
なんて清々しいんだ
私はひとしきり満足すると、白目を剥いて気絶する男と唖然とする周囲を置いて横たわる彼の元へと戻った
『退いてください私。説明は後でしますから』
「え、あ…」
未だ混乱する
『終えなくていい命をここで落とすとは…』
ごめんなさい、私のせいで
優しい獣人に語りかける
『すべてを癒せ、魔法の花
痛みなんて、消し去ろう
きらめいて、輝いた
陽のしずく』
散々歌わされたフレーズ
あの狭く恐ろしい馬小屋で、嫌という程奏でた旋律
でも貴方の為に歌うのはやぶさかではない
地面に引き摺る程長い黄金の髪が輝く
温かい陽の雫が私の頬を伝った
『＿＿＿…
そしてそれは眠る彼の頬へと吸い込まれていく
刹那
「これは…」
「なにこれスッゲー…」
あたたかな光が辺りを包んだ
柔らかな光の束が彼の傷口へと収束する
そして
「っ…ぅ…」
ハイエナは息を吹き返す
『おはよう、優しい人。黄泉の世界はどうでした？』
ぽかんと私を見上げるその顔がおかしくて私は小さく吹き出すのであった
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くらげ - 待って、、、ロスカゲートじゃない、、、、、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！！！！！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - "深淵の君"ってえ！？王子様がくるその日までのロスカゲートちゃん！！？？いろんな世界線ある！？やべぇ！！！これからも応援してます！！！！ (12月3日 10時) (レス) @page31 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
あ - 天才か 夜中に見て感傷に浸ってる (2023年1月10日 2時) (レス) @page50 id: af6608e558 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - ぷりんせす わんこ見たいです🥺 パスワード教えて欲しいです…作者様の作品が全部良すぎてお気に入りです。 (2022年12月19日 19時) (レス) id: ace6ee2d95 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ぷりんせすわんこ見たいです...🥺パスワード教えてほしいです...作者様の作品全部が神すぎて..... (2022年12月4日 15時) (レス) @page50 id: b8f7239a75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年10月12日 15時
