幕間/醜いアヒルの帰る場所 ページ18
仲間はずれのお姫様
＿＿＿お前の居場所は何処にある？
幕間/醜いアヒルの帰る場所
その日は生まれてから8回目の11月12日の事だった
今年もまた毎年のようにやって来る意地悪なメイドの事を、私は健気に膝を抱えて待っていた
「おい、今すぐこれに着替えろ！」
けれど、ドアを蹴破るように入ってきたのは厳つい男たち
私は去年までとは違う光景にぱち、と瞬きを繰り返した
「顔を覆え、フードの上から更に麻袋を被せろ」
怖い男たちに言われて私は恐恐と指示通りに動く
その際、奔放に伸びきった髪が邪魔で雑にまとめようとしたら力いっぱいに顔を殴られてしまった
「髪を雑に扱うんじゃないよ！！切れちまったらどうするんだい！！」
フードを目深に被った老婆が嗄れた声で私を責め立てる
『ごめんなさい、ごめんなさい…』
土下座するように蹲り、わけも分からず私は必死に謝罪を述べた
「立て。お前は今日から
野蛮な男の声に私は震える
＿＿＿ゴーテル王国
太陽の国ガーランド王国の隣に位置する、薄暗く闇と不浄に塗れた国だ
『あ、あ…』
意味のない単語が口から吐き出される
浅い呼吸が繰り返され、視界が不鮮明に揺れた
『(わたし、売られたんだ)』
ついに棄てられたんだと、絶望に涙する
これなら意地悪なメイドの相手の方がマシだったと、元第一王女は引き摺られながら泣きじゃくった
塔から引き摺り出される途中、ランタン祭の準備で賑わう宮中で小さい頃に一度見たきりの父と出くわした
その隣には、私と同じ年頃の栗色髪の女の子が綺麗なドレスを着てこちらを遠巻きに見ていた……私の異母姉妹だろう
『おと、さ…』
縫い目の荒い麻袋越しに、父を呼んだ
愛されてないと分かっている
けれどもう会えないかもしれない娘に、どうか一言だけでもと懇願した
しかし
「早く連れて行け。国民に見つかる前にこっそりと」
穢らわしいと手を振られた
血を分けた妹はこれ見よがしに鼻を抑え「くさ〜い」と嗤う
醜いアヒルの子はここから出て行けと、そう言われた
その日の夜
私は空に浮かび上がるランタン達に見送られ、故郷を後にした
『いいなぁ…』
ずっとあの輝きが欲しかった
本当は私のものだったあの星が、ずっと
私はゆるゆると手を伸ばした
『いつか、』
涙声で呟く
『…いつか私を想って輝く星に、なりますように』
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くらげ - 待って、、、ロスカゲートじゃない、、、、、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！！！！！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - "深淵の君"ってえ！？王子様がくるその日までのロスカゲートちゃん！！？？いろんな世界線ある！？やべぇ！！！これからも応援してます！！！！ (12月3日 10時) (レス) @page31 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
あ - 天才か 夜中に見て感傷に浸ってる (2023年1月10日 2時) (レス) @page50 id: af6608e558 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - ぷりんせす わんこ見たいです🥺 パスワード教えて欲しいです…作者様の作品が全部良すぎてお気に入りです。 (2022年12月19日 19時) (レス) id: ace6ee2d95 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ぷりんせすわんこ見たいです...🥺パスワード教えてほしいです...作者様の作品全部が神すぎて..... (2022年12月4日 15時) (レス) @page50 id: b8f7239a75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年10月12日 15時
