いちごたちの宝物 ー悪いけど、譲る気ないよ？ー

#8じつは優しい ページ9

それから、思ったより和やかに時間が流れた。

・・・・・・







こ「次いつ動画撮るー？」









さ「んー、ころんはいつ空いてんの？」









2人の会話を聞きながら、私はネットでお兄ちゃんのキャスに対する反応を調べていた。やっぱり女性りすなーさんたちがすごく荒れている。









「っ・・・」









お兄ちゃんの努力を知ってるのに。これで台無しに・・・









こ「おーい、顔がさらにひどいことになってるぞ？」









「・・・うるさい」









こ「もう腹くくって、りすなーのみんなにちゃんと説明して、信じてもらうしかないって！くよくよしてもどーにもなんねぇよ！」









そう言うと、ころんくんは立ち上がって、冷蔵庫に向かった。









「何飲む？お酒いっぱいあるけど」









・・・お兄ちゃんの冷蔵庫だけど・・・。私が言いたいことを察したのか、「さとみくんもいつも僕の家じゃこーだよ！？」と言いながら冷蔵庫の中を物色している。









こ「で、Aは何がいい？」









「あ、私飲めないんです」









こ「え、弱いの？強そうだけど」









「ん、そうじゃなくて、私未成年なんです」









こ「え！？そうなの！？まじで！？何歳なの！？」









「19です。まあでも、来週で20歳になります。」









こ「そうなんだ！！僕のほうがめっちゃ年上じゃん！」









冷蔵庫から戻ってくるころんくんの手には２つオレンジジュースが握られていた。ころんくんがそのうちの片方を私に手渡してくれた。









こ「この後多分僕の家かさとみくんの家で話し合いがあると思うから、僕もお酒飲むのはやめとく。」









ころんくんがまた私の横に座る。









「ありがとうございます。・・・あれ、お兄ちゃんは？」









こ「今メンバーのみんなに電話かけて簡単に状況説明してる。まあ、どうせこの後会うけど」









ころんくんが私の方を向く。









こ「もちろんAも参加だよ？」









・・・ん？









こ「Aからも説明してもらうからね？」









え、え、たしかに私のせいだけど、でも・・・









こ「だいじょーぶだって！みんないいやつだし、もしなんか言われても僕が、その、いい感じに、守っ・・・まぁ、とにかくだいじょーぶ！」









「・・・ありがとう」

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