いちごたちの宝物 ー悪いけど、譲る気ないよ？ー

#2ドキドキ ページ3

「うわー、東京だー･･･」









眼前に広がる高層ビル。人、人、人。駅を降りるとそこはもう別の世界みたいだった。







「･･･お兄ちゃんの家、見つけられるかな･･･」







心強い味方、グーグルマップくんを見ながら、今年お兄ちゃんからきた年賀状の住所を頼りに進む。別に、東京にきたことないわけじゃないけど、やはり１人だと心細い。







「ダメダメ、弱気になるな、A･･･！お兄ちゃんをびっくりさせるって決めたでしょ！」









そうだ、そうだよ！負けるな、私！！今日から大学は夏休み。家にいてもすることもないし行くところもないってことで、夏休みの間はお兄ちゃんの家に居候すると決めたのだ。









お兄ちゃんに勝手に、居候すると決めた。









「ま、いいでしょ！兄妹なんだから。･･･っと、もうすぐか」









グーグルくんのおかげで、迷わずにお兄ちゃんが住んでいるマンションに着いた。









「･･･え、ええ、ここ･･･？」









高級住宅地に建つ、高層ビル。その一角にすんでるってだけでもすごいのに、さらに驚きなのは、住んでいる階。お正月よく確認しなかったけど、すごい。実家よりもすむのにお金いっただろって感じ。見上げていると首が高くなるほどの高さのビル。･･･東京は大体どこもこんな感じか。









「まー、知ってたけど。」









セキュリティが厳しい。入るのにカードか、すんでいる人からの許可がいるようだ。どうしたものか。････････････。これしかない。









「お願いします！兄を喜ばせたいんです！」必殺技、「頼み込む」！









三十分くらいマンションの玄関でうろちょろしてると、人当たりの良さそうなおばさまがマンションの駐車場から出てきた。羽振りが良さそうな身なりから、このマンションの住人であることはすぐにわかる。









「あら、かわいい子ね。お兄様が住んでらっしゃるの？ふふ、いいわ、ついていらっしゃい。」



「･･･！ありがとうございます！」









マンション内潜入成功･･･。次は･･････。あれ、どうやっても無理じゃない？









家の鍵、どうしよう！？

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