【七つの大罪】虚飾の影法師 (ページ48)

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第48話ページ48

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すっかり自分達の世界に入って駄弁っている大罪達を指摘するギルサンダーだが、四人共まだいたのかと言う顔をした。

「……そんな顔しても罪は消えないぞ。嫉妬(やきもち)のディアンヌ、窓を壊した罪で校庭の草むしりをしてもらう」
「な、なんでボクが！？」

細かい作業が苦手なのをわかっている上で言ったのか、ディアンヌの反応にギルサンダーはフッと笑みを浮かべ、バンとキングに視線を映す。

「お前らは通路を塞ぎながら立ち話をしていた為、学校全体の掃除をしてもらうぞ」
「そんな、むちゃくちゃだよ！」
「俺がやるわきゃねーだろ～♪」

それぞれ不満の声を漏らすのを聞いて、いい気味だとほくそ笑む聖徒会役員の表情を強張らせたのは間もなかった。

「あ、マーガレット王女が知らない男にナンパされてる」
「……！？な、なんだと？」

スッとルノアールが指差す方。
階段を降りきった先には確かに学生服を着た男が、何やら熱心に話しかけているのが見えた。
ギルサンダーは嘘だと動揺しながら、マーガレットを助ける為に速攻に校則違反達を横切り、かけ降りて行った。

「マァーーガレェットオォ！！」

という荒んだ叫び声を発しながら。
振り返り、ルノアールの唇が小さく弧を描く。

「今のは……君の技だよね？」

ギルサンダーの変貌ぶりに、ディアンヌと起き上がったバンが驚きながら見送り、キングがこちらに近寄り苦笑混じりに足下に指差してきた。

「影幻の彷徨者(ｼｪｲﾄﾞ･ﾃﾞｨｰｳﾞｧﾝﾃﾞﾘﾝ)。ざっくり言えば、俺の影で作った偽りの人形だ」
「……さっきまでマーガレット様もいなかったよね？」

静かにルノアールは頷き。

「あれも偽者だからな。バレないうちに皆散った方がいい」
「何か他人事のように言ってるけど、元はと言えばルノアールが原因だからね！？」
「いちいち気にしてたら本物のオッサンになるぞ」
「あのカッコよくて渋い顔の良さが解らないなんて、どうかしてるよ！」
「……バン何とかしろ」

このまま興奮しきっておじさんに変身されるのは、ちょっと引けるわけで。顎で催促させると「おっさん行くぞ～♪」とキングをつまみ上げ連れて行く。離せと暴れていたが気にも止めず、彼はルノアールに軽く手を振り去っていった。

残ったのは、自分を見つめるディアンヌだけ。

「どうした、行かないのか？」
「え？ ……ああ、うん、行くよ」

ゆっくりと窓口から離れ、どこか眉をハの字に下げ、恐る恐る問いかけてきた。