【七つの大罪】虚飾の影法師 (ページ44)

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第44話団長がスケベ過ぎる件についてページ44

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刹那、緑色の目が何かを凝視しているのに気付いたが、構わずルノアールは切れのある蹴り技を叩き込む。余裕の顔で受け止めは躱し、受け止めは躱しの繰り返しだったが、数分経ったぐらいだろうか、メリオダスが申し訳ない顔をして言った。

「ルノ見えてるぞ」
「……は？」

スッと目線がルノアールの下に行き……。

「攻撃するたびスカートからチラチラ見えてる。」
「………………」

………あ。
タイツを履いているとは言え、今の格好はズボンじゃなかった。つまりルノアールが動けば動く程スカートが暴れ、みずからメリオダスに中を見てくださいと言っているような事をしてしまって………

「記憶消されるのと半殺しにされるのどっちがいい？」
「どーどー！不可抗力だ、見えちまったもんはしょうがない。大丈夫、俺の心の中で保存しとくからさ！」
「何も大丈夫じゃないし、キメ顔するな！今すぐ消去しろ！！」

ルノアールは前に突っ込み片足で跳ね上げると、体を捻らせた。その回転力でメリオダスに蹴りつけようとしたが、彼がフッと口角が上がったのが見えた時には、片手で足を掴まれ、勢いよく放り投げられていた。

「じゃあな～。そんなカリカリしてると老けるぞ～～」

手を振り、メリオダスは最後まで失礼極まりない発言を残して。
余計なお世話だ！と言いたくなるのを抑え、ルノアールは先にある障害物を避けるのは諦め、受け身の体勢をとる。
ガシャアアン！！と硝子が粉砕する音と、体に掛かる衝撃は自分が思っていたより痛かった。背中が壁に打ちつき、口から喘ぐように息を吐く。
頭を押さえながらかぶりを振り辺りを見渡すと、ルノアールを呆然と見詰めている女二人に、破けた紙束を固まったまま持っている男が一人いた。

背中を擦りながらゆったりと立ち上がるルノアールを、意識を取り戻しただろう髪を一つに纏め上げた女が、指をこちらにつき差した。

「お前はどっから入ってくるんだよ！？器物損壊で粛清するぞ！！」

灰色の髪にキリッとしたオリーブ色の目。
自分が王国にいた時と服装が違うが、荒々しい男口調とその容姿に見覚えがある。確か……

「ジェシコだっけ、悪い」
「ジェリコだ！」
「貴方は……虚飾〈うそつき〉のルノアール。なぜここ、聖徒会に？」

ジェリコから竹刀を向けられ、黒髪の女からはレイピアをつき出され、無表情のまま両手を上げる。