第34話 ページ34
.
「オッ〜ス。留守番ご苦労だったな!」
「メ、メリオダス様! キング様!」
「ただいま王女様」
情報収集に戻って来たメリオダスとキング。
すかさずメリオダスに近づくエリザベスだったが、もはや恒例のように胸を揉まれ ひゃう! と悲鳴を出す。
「コラアッ!エリザベスちゃんに何してんだ!!」
と、突っ込むホーク。
尚もスカートを捲り上げる団長の後ろに立っているキングも苦笑いを溢しながら、しかし視線は壁に凭れ掛けているルノアールにいく。
「あのさ、聞きたい事があるんだけど……」
同時にエリザベスのセクハラの手を止める団長。
「オイラ達がいなくなった後、聖騎士がここに来たらしいね。町の人達から聖騎士の命令を無視し、戦っている黒い男がいるって聞いた。それって君の事だよね?」
「…………」
「でも、あまり事を起こさない方がいい。聖騎士とやり合ったら、間違いなくお尋ね者として君の手配書が発行されてしまうし……それに七つの大罪に加担したって、思われるし」
徐々に言葉を濁しながらいまだピクリとも反応しないルノアールに、キングは一歩近寄った。
あくまでエリザベスに力を貸すという形で共に旅する事にはなったルノアールだが、七つの大罪の団員として戻らないとつい数時間前に言われたばかりなのだ。本人にすれば“大罪の協力者”として世間に知り渡ってしまうのは嫌なのではないだろうか。
そう相手の事を思って言葉を掛けてみたが、返ってきたのは予想よりもずれていた。
「……確かに、お前らに加担したと噂を流されるのは癪にさわるが、それよりも俺の手配書がばら撒かれる方が時間の問題だろう」
「え? それはどういう事?」
ルノアールは片目だけ開き、キングを一瞥した。
「団長と会う前に、すでに聖騎士30人程やったからな」
「一体何悪さしたのさ!?」
「ルノちゃん、悪い事したらちゃんと謝んねーとダメだぜ?」
「セクハラをしてる奴に言われたくないが」
「これはセクハラではない、スキンシップなのだ!」
メリオダスの手がスカートの中に突っ込み、エリザベスのお尻を撫で上げた。ビクッ と反応すると、どう対処すべきか解らないであろうエリザベスの顔は紅潮し、目尻には涙が浮かんでいる。
「最低だな」
「なんだ妬いてんのか?後でルノも触ってやるか…」
「消えろ」
「ちょっと! どんどん話が違う方向に行ってるんだけど!?」
401人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ