【七つの大罪】虚飾の影法師 (ページ25)

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第25話挿絵有ページ25

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｢なぁ、ここでの商売は諦めて、もう店に帰った方がよくね？｣

｢だな…。どのみちほとぼりが冷めるまで、ジッとしてるしかねぇが｣

参ったとポリポリ頭を掻く。
正直収穫も無しに店に戻るのは痛い。
エリザベスの為だと説得し、マフラーをぐいぐい引っ張ってまでルノアールを連れて来たのだ。このまま下がれば｢よくも振り回してくれたな｣と言って三度目の拳骨がメリオダスの脳天に突き刺さるに違いない。

(……いやそれは勘弁してほしいな)

思わず想像してしまったメリオダスは、腫れをひいた頭を押さえた。
静まりかえる塔の中、ルノアールはため息を溢した。

｢俺がエリザベス王女の側にいるから、団長達は情報収集しに行ってこい｣

｢そんな…追われているのはあくまで私です！ルノアール様もメリオダス様達と……｣

｢誰か守る奴がいなければ意味が無い。もう少し自分の立場を考えろ｣

｢ちょ、ちょっと！！｣

慌ててルノアールに近づくキング。
腕をぐいっと引っ張り、エリザベスから距離を離した。

｢王女様に無礼だよ…！君こそもう少し、自分の身をわきまえた方がいいと思うけど！？｣

｢……今は七つの大罪を探すただの少女だろ｣

｢そう……じゃなくて！！｣

どうして目上の人に敬語とか気を遣わないんだろうか。昔から礼儀のないルノアールに苛立ちを覚えるが、この性格は注意しても直らないのはキングはとうに解っていた。
それでも、言いたくなるのだ。

｢そこまでにしとけよ二人共。エリザベスが困ってんだろうが｣

という団長の声が聞こえ、キングはルノアールの顔をジーッと訴えるような目で見ていたが、すぐに顔を逸らした。

｢ルノ、ちょっとこっち来い｣

小さな手で手招きされる。
一瞬行こうか迷ったが、ルノアールはメリオダスの側に近づいた。

｢何だ｣

｢少ししゃがんでくれ｣

頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
一体何をするきなのか。
十数年前からメリオダスがスケベなのは認識しているが………。そこまで考えてから、恐る恐る彼の高さくらいに腰を落とした、その刹那。