検索窓
今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:59,155 hit

*30* ページ30

No side






身なりを整え、更衣室から出て来た女性たち。



人前に出た途端、またしても(人2)の猿芝居が始まった。


優しく(人1)のシャツの襟元を直す(人2)に、(人1)は呆れ顔だ。




その時、(人1)が嬉しそうに目を輝かせて、(人2)はその視線の先を追った。






「ほんとに来たんですね」





嬉しい気持ちをグッと抑えて、クールに言ってみせる(人1)。





「だって、約束したでしょ?起きたらすぐに会おうって」





それに対して風磨は笑みを浮かべて返すから、(人2)はすっかり固まってしまっている。



そんな(人2)の状況を知ってか知らずか、(人1)が風磨のことを紹介しようとすると、風磨は「知っているよ」とにこやかに答えた。






「記者だった人でしょ?不正や社会の不条理を許さない、正義の記者。藤城(人2)さん。あ、今は結婚しておられるから 東堂さんか。僕、ファンだったんですよ」


「ほんの短い間だったのに、覚えてくれている人がいて良かったですね。しかもファンみたいだし」





そう嫌味を言う(人1)を見て、(人2)は取り繕うように口を開いた。





「ありがとうございます。ファンだなんて」


「でも、今は違います。残念ながら」





その言葉に凍てつく(人2)。





するとタイミング良く、社長が現れた。



(人2)は慌てて車椅子に駆け寄る。


風磨の姿に驚いたのは、中島弁護士も同様だった。




「そちらは?」と言って風磨を見つめる社長に、(人1)は迷わず「付き合っている人」と紹介する。







その後、ジムが入っている建物のVIPルームで一緒にブランチを食べることになった風磨。



初めて紹介された娘の彼氏に、社長は少し嬉しそうだ。







「ご両親は何をなさっているのかな?」


「2人とも亡くなりました。生前、父は田舎で商売をしていました。母は僕を産んですぐに亡くなったそうです」





いきなりの展開に、ぎょっとする(人1)。


風磨について何も知らないのだから無理もない。





「それは、すごく苦労をされただろうね。学校は?今はどんな仕事を?」





緊張が高まる(人2)は、不安げな表情を浮かべている。





「大学は途中で辞めました。今はバーテンダーをやっています」





その答えに驚きを隠せない社長。



大学を辞めたのは経済的な理由からか?と聞かれた風磨は、違うと即答した。






*31*→←*29*



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (113 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
480人がお気に入り
設定タグ:菊池風磨 , sexyzone
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:北斗七星 | 作成日時:2018年3月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。