【FGO】The Menders (ページ20)

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3．王の財宝・貴方のための物語(5) ページ20

「貴様が未だ隠している物が我に見えずと思うてか。
それに触れぬのは我がこのウルクの王である為だ、貴様の尻は貴様の遣いが拭うのであろうからな」

一瞬、天上天下唯我独尊の彼の見せた和らぎに安堵していれば、後を辿って向けられた確かな怒りと呆れにびく、と肩を揺らした。
その口ぶりはまるでこちらの全てを明かすようで、自分が知り得ぬ彼らの動向すら知っているのかと乞うようにして身を乗り出す。

「俺の…サーヴァント達が、何かしていると？」

乾いた喉元に空で息を呑む。

「……我の束の間の暇すら奪った上に、無知の罪を重ねるか。…これ以上の赦しを乞うならばそろそろ刎ねられる首が見れるやもしれんな」

懐かしい空気感に張っていた気が弛んだらしい、さすがに過ぎた、と反省しながら改めて頭を垂れて、すみませんでしたおやすみなさい。と早口で告げ、逃げるようにその場を去った。

◇

喋り過ぎた、と重く怠く移ろう意識に叱咤を加えて、仮眠だけだと目を閉じる。
だが閉じた深淵の向こうで光るは、崩れ行く七本の柱。
そして、この姿を皮肉に翳した憎き術師が携える指輪の輝き。

疲労が混む身体は睡眠すら拒むかと開き直して、睫毛を揺らした。

「先のは…あちらの我の財、か。……騒がしい夜よな」

―――

※合体宝具「王の財宝・貴方のための物語」

ランク：C＋種別：対人宝具

バビロン・オブ・メルヒェン・マイネスレーベンス

アンデルセンの宝具…彼が観察した人物の理想の人生・在り方を「理想の姿」に強化する物を、存在証明の為"留める"ことに特化させた、新作の冒険譚。
これに、賢王ギルガメッシュが王の財宝から魔力を持つ触媒達を引き出す許可を下し、彼の筆へ経路を繋いだことで実行された合体宝具。

この宝具は多大な魔力を垂れ流すように放出し続けなければならず、カルデアに在るアンデルセンの顕現が終われば潰える物語。

これはアンデルセンが聖杯上限を得て、かつギルガメッシュの助力を以て成り立っている、作者と読者による連載作品だ。