＊６…Side N ページ23
-N
久しぶりのピアノは思っていたよりもやさしい音がした。
頼んでおいた調律の様子をじっと見ていると、作業を終えたその人がこっちを見てひと言。
「弾いてみられますか？」
その言葉に、緊張しながら人差し指で白い鍵盤を押した。
ポーンと思った通りの音が響いて。
それが部屋にゆっくりと吸い込まれていく。
別におれはピアニストじゃないし、そんなにすごい曲が弾けるわけでもないから。
このくらいで十分。
「大丈夫だと思います」
そう言って、今度はゆっくりといくつか和音を奏でてみる。
どれもやさしく、心地よく耳に入ってきて、おれはなんだかうれしくなった。
「また、何かあれば」
そう言い残してその人が部屋を出て。
おれの目の前には白黒の鍵盤。
無性に懐かしい曲が弾きたくなった。
幼い頃に母さんと連弾で遊んだキラキラ星。
おれの弾く高音の主旋律を母さんがどんどん違うものにしていくのが面白くて、何度も弾いて遊んだっけ。
そういえば、変奏曲の楽譜もどっかにあったような・・・
そんなことを思いながら手を鍵盤の上にのせていく。
最初は簡単な主旋律から。
少しずつ飾り音をつけたり左手で遊んだりして。
やっぱりずいぶん長いブランクはなかなか自由に楽しませてはくれない。
それでも、弾いている間は無心になれて楽しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 984人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
LILY(プロフ) - えーすさん» その二人にコメントいただけて実はすごくうれしい私です（笑）たぶんご主人さまを見る目は違うんでしょうけど、だからこそまさしくフォローしあっている二人。そして夏休み中のお花屋さん、早く帰ってきて（笑）あのコが首を長くしてお待ちかねです♪続きもお楽しみに☆ (2015年8月12日 13時) (
レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - だんぼさん» わーぃ！だんちゃんからもカワイイいただきましたっ（≧∇≦）置いてかれた仔犬みたいになって落ち着きなくウロチョロしちゃうあのコ（笑）きっとね、もう相葉さんと食べるブランチが『普通』になっちゃったんだよ！翔潤までいつの間にやら仲良くなってたっていう…ね。 (2015年8月12日 13時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
えーす(プロフ) - 翔潤のタッグ感がいいなあ♪翔さんの悩み、潤くんの悩み、お互いにフォローしあってて休憩も一緒に過ごしちゃって!!花屋さん帰ってきたら寂しい気持ち埋めてもらえたらいいねえ♪ (2015年8月12日 7時) (レス) id: 5a41992d75 (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - 相葉さんいなくて寂しくなっちゃってるニノ…(^^)わかりやすいな〜♪カワイイな♪ 翔さんは心の奥底では…？ なんせ 相葉さん！早く帰っておいで〜♪仔犬がきゅんきゅん言って待ってるよん(￣▽￣) (2015年8月12日 6時) (レス) id: 8e040225cb (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ふじこさん» うわぁ、うれしいな^ ^ほっこりしていただけて、さらにかわいいなんて♪ひとりぼっちで過ごしてきたからこそ、距離感が上手く掴めない甘えたさん。そんなご主人さまです(●´艸｀)いよいよこのお話も後半へ。明日は移行しますが、これからもぜひよろしくお願いします♪ (2015年8月12日 3時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LILY
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時：2015年8月1日 6時
