日常の異変 ページ2
ー現代ー
私はA・コールドウェル。
ごく普通の(いや、何の変哲もないと言った方がいいかもしれない)高校生。
今は授業の真っ最中だ。
私は先生。と挙手する。
「何だコールドウェル。」
「先生、そこのところさっき板書していたことと違うと思うんですが...。」
「...本当だ。みんな悪いな、これは消しといてくれ。よくやったコールドウェル。」
よしっ!私が心の中でガッツポーズをしていると椅子の脚が後ろから足で強めにつつかれ、紙を丸めたような物が背中にあたった。
ブレアだ。
「この頭でっかち...!あんなのみんな気づいてたわよ。それをわざわざ言うなんて...」
小声でそう言い、アハハハと高笑いするブレア。
彼女は裕福な家庭で甘やかされて育ったためかとても傲慢だった。
何か言い返そうと思って口を開いた時、
「そこ、うるさいぞ!」
先生に注意されて私は黒板の方を向いた。
「コールドウェル。この問題を解いてくれ。」
チョークが私に差し出された。
クラス中が注目する中、私はおずおずとチョークを受け取り、立とうとすると。
ガタン!
椅子が音をたてて押される。
私は前のめりにつんのめってしまった。
ドッと笑いが起こる。
「ちょっと...!」
私はブレアを睨みつけながら教卓に上がった。
振り向けばブレアが取り巻きと、私を挑発するように自慢の金髪を指に巻きつけて嘲笑している。
私はそれを無視して黒板にチョークを走らせた。
ホームルーム終了後、生徒たちは蜘蛛の子を散らすように帰宅する。
私もそれに紛れて帰ろうとすると「待ちなさいよ。」と背後から声がした。
声の主が誰なのか即座に理解した私は全速力で走った。
時々人にぶつかるのも気にせず、学校を出た。
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家の前で、ドアノブに手をかけると中から話し声が聞こえた。
戸惑うことなくドアを開ける。
「ただいま!」
「お帰りA。夕食の支度は出来てるわ。若いんだから沢山食べなきゃダメよ?」
「ありがとう。アリスおばあちゃん。」
すると突然地面が揺れ、外から大きな音がした。
何かが地面に叩きつけられたような。そんな音だ。
「何かしら。」
祖母が怪訝そうに眉根に皺を寄せる。
「おばあちゃん、少し見に行ってくるよ。」
「気をつけてね。」
「若いんだから大丈夫だよ。」
そう言って外にでて見ると倒れたゴミ箱の上で毛繕いをする猫の姿が目に入った。
「何だ猫か...。」
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Caesar(プロフ) - しゃけじゃけっ子さん» 返信が遅れてすみませんm(*_ _)m 楽しく読んでいただけたなんてもったいないお言葉です。ありがとうございます!更新できるようにがんばりますね! (2021年6月13日 21時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけじゃけっ子 - 楽しく読ませていただきました!続き、楽しみにしてます! (2020年9月22日 12時) (レス) id: c5679eb0b2 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - メリ助さん» 遅くなってしまいましたが、嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年7月19日 16時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - どちゃくそ私の好みです!!続き早よーー!!!\(//∇//)\ (2019年7月12日 23時) (レス) id: 4ad90eda32 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 名無し9253号さん» そう言って貰えてとても嬉しいです!! (2019年5月29日 16時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Caesar | 作成日時:2019年5月7日 1時