[対面] ページ15
瞬く間に3年が経ち、ついにチャンスがやってきた。離れに何ら変化はなく、侵入は上手くいった。
念のため無下限を張って廊下を進み、辿り着いたのは一階の奥間。
そこにいるのは、一体何者か。覚悟を決め、引き戸を開け放つ。
同じくらいの背丈。薄く質素な鼠色の着物。ハネの少ない白い髪が、電灯の灯りを反射して光った。
紺の瞳をまんまるに目を見開いて、自分によく似た顔が呆然と立ち尽くしていた。
悟「…………なに、お前。……俺の、何なの」
兄「ぇ、と、僕は……その……」
悟「まあ大体解るけど。兄弟……っていうより、双子?」
慌てたように何度も頷く相手。
視れば解る、身体能力も呪力も確実に俺の方が上。でもなんとなく、俺の方が弟な気がした。
本棚にざっと目を通す。近代文学、歴史本、医学書、呪術関連資料に、図鑑、写真集……新書から和綴じまで、様々な種類で埋め尽くされている。
悟「名前。なんて言うの」
兄「えっと……名前は、五条……?」
悟「そんなの知ってるよ、俺も五条だもん。
そうじゃなくて、お前自身の名前聞いてんの」
兄「あ……そう、そうだよね。ごめん……僕には、名前が無いんだ」
だから教えてあげられない、なんて言うので、つい棘のある返しが口から飛び出た。
軟禁して存在しないことにした挙げ句、名前も無いのが当然だって?
クソみたいな家だとは思っていたけど、ここまでやるなんて。怒りが沸々と込み上げてくるのを堪える。
しかし兄の表情も声色も平常そのもので、どうやら五条家からの扱いに疑惑も悲嘆も怒りも抱いていないらしかった。
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梅チョコ(プロフ) - Part1完結しました!ありがとうございました(* ´ ▽ ` *)続編もよろしくお願いします〜! (2021年3月27日 18時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
梅チョコ(元Thatn)(プロフ) - ヒエッ……待って……書きかけのお話を非表示でこそっと更新したつもりだったのに出てた……(´;ω;`) (2021年2月12日 20時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
Thatn(プロフ) - トップにそれっぽいこと書いてる癖に、未だ男主くんの術式が出てこないという……ね……あと変な時間の更新多い……( ̄▽ ̄;) (2021年2月2日 13時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
Thatn(プロフ) - 蒼音さん» すみません!ボード見てなくて気付きませんでした……。私もボードの方に返信させて頂きました。長文ですが一読頂ければと思います。これからはボードの方もちゃんと確認します! (2021年1月31日 8時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
蒼音(プロフ) - 読まれていない可能性があったので一応、報告を。コメント欄に入りきらなかったので、作者様のボードの方にて意見を書かせて頂きました。方針が決まったのであれば不要な意見になるかもしれませんが・・・。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: 70bc04b5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅チョコ | 作成日時:2021年1月26日 0時