常に焦りは禁物なのです・４ ページ28
*
暗くて広い公園に、私達が道を踏み鳴らす音が響く。食べたら早く行かないとな、と勇太郎君が言った。
「A、好きなの選んでいいから」
「いいの？ じゃあ……」
差し出された袋の中身を見る。パンが三つと、ジュースが一本入っていた。思わず目を丸くする。
「……やっぱり運動部の練習ってハードなんだね……」
「まあな」
どこか誇らし気にも見える勇太郎君を見てふふっと笑うと、彼も照れ臭そうに笑った。なにこれかわいい。
「A、そこ座れば」
「あっはーい」
英君ときたらさっさとベンチに座っていた。隣に勇太郎君、その隣に私も腰を下ろす。意外と近くてドギマギする。
お気付きだろうか、勇太郎君と英君の私への呼び方については。
英君は私のことを名前で呼ぶけど、勇太郎君は苗字で呼ぶ。これには紆余曲折あったりした。
はじめは二人とも「A」だったのだ。だけど、私は名前で呼んで欲しかったし名前で呼びたかったので、勇太郎君と英君と呼んでいた。
でも二人ともそんなこと気にも留めないから、英君(当時中2)にこそっと「勇太郎君が私のことをAって呼ぶにはまず流れが必要だから英君Aって呼んで！」と頼んだのだ。
当然「は？ 何言ってんの」という顔をされた悲しい。
でも、必死こいて頼む私が哀れだったのか、最終的には折れてAと呼んでくれた英君だけど、勇太郎君ったら気付かなくてまだA呼びを継続している。そんなところも好き。
そして、何だかんだで私らは各自、己の腹を満たしていたのである。
*
「ごめん、ちょっと喉乾いたから飲み物買ってくる」
そう言ってベンチを立つ。自販機はどこかで見かけた気がするんだよな、と考えていると、背後で人の動く気配がした。
振り返ると、なんと、勇太郎君が何故か立っていた。
「俺も行くよ」
「え、でも、勇太郎君は飲み物あるんじゃ」
「まあ、そうだけど……ほら、暗いし、女の子一人じゃ危ないだろ」
いくら公園でもさ、と続ける彼を、ポカンとして私は見つめた。
……なにそれ紳士？ また惚れさせる気？
勇太郎君ったら天然たらし！ でも私限定がいいな!! うん!! ……などと心中葛藤していると、「行かないのか？」と勇太郎君の怪訝そうな声。慌てて顔を上げる。
「うん！ 行こう！ 英君、ちょっと待ってて」
「別に待ってない」
「……そうだね」
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 空白さん» 大地さんかっこいいよね〜→好き!! になる人が少ないんですかね……。三年生はあのノリですから！あ、潔子さんじゃないですか？ (2016年6月13日 18時) (
レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - まじ 大地さん ヤバイです 三年生組好きです 清子さんの一言で泣くとこ好きですwww (2016年6月11日 6時) (携帯から) (レス) id: 52be14b7bd (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - そうなんですよ全然いないんですよ なんでいないのか不思議なんですよ あのお父さん感 大好きです こないだ好きすぎてイラスト描きました (2016年6月11日 6時) (携帯から) (レス) id: 52be14b7bd (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!! 大地さんカッコいいですよね……！好きな人あんまり見ないので嬉しいです(笑) (2016年6月10日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - 初コメント失礼します
私も澤村さん大好きです！(≧ω≦)ｂ
マジかっこいいです (2016年6月9日 17時) (携帯から) (レス) id: 52be14b7bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スマトラ島のラフレシア | 作成日時：2015年11月14日 19時
