プロローグ ページ1
群青の空が、見渡す限り広がる。
涼しい風が、黒くて長い私の髪をなびかせる。
草原で、大の字になって寝そべるのが、
幼い頃からの習慣だった。
「いつまで、そんな所で寝てるつもりだ？」
私の視界が、急に兄の顔で遮られた。
「別にいいじゃん！楽しいんだもん！」
「なにそれっ。Aって、やっぱり変わってるよなっ！」
そんな風に、笑う兄が
私は、大好きだ。
「ほら。買い出しにいくぞ。」
「はーい。」
ここは、町外れにある、小さな村。
そこに、両親と私と兄が住んでいた。
でも、両親は、朝早くから、町へ仕事へ出稼ぎに行っているため、
兄と過ごす時間が、自然と多くなった。
「今日は、Aの好きなオムライス作ってやるからな。」
「え！嬉しい！！」
私にとって料理も出来る兄は、憧れの存在。
1時間位歩くと、街に着いた。
やはり、昼間は、大勢で賑わっている。
「はぐれるなよ。」
兄は、私の手をがっしりと繋ぎ、
一緒に、食材を買いに行く。
そんな些細な事だったが、
私は、毎日幸せな気分。
食材を買い終えると、いつもは、すぐ、家に帰る。
だが、この日だけは違った。
「あのお店のペンダント可愛い...」
何となく見ていたお店にキラキラ輝く物を見つけた。
「Aにしては、珍しい...。いつもは、興味無さそうなのに。やっぱり、お前も女子なんだな。」
兄は、少し驚いたように呟いた。
「やっぱり...って、今まで、女子だと思ってなかったの！？」
「あはは...ごめんごめん。誕生日も近いし、買ってあげるよ。」
「え？いいの！やったー！」
兄は、妹思いの優しい人。
私は、いつも、その優しさに甘えている。
星形のキラキラ輝くペンダントを買った後、
兄は、私の首にペンダントをつけてくれた。
「ありがとう。お兄ちゃん。」
「いいってば。」
後ろを振り向くと、
私の大好きな兄の笑顔を見えた。
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作者名：デビル | 作成日時：2018年1月21日 14時
