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『鉄太くん、
またヒナちゃんのこと見てんの?』
「うっせぇ。
お前には関係ない。」
『酷い。私こんなにアピールしてんのに
そんな言い方ないでしょ。』
鉄太くんはいつもこう。
私が好き好きアピールをしても
無表情で鋭い目つきで
こちらをチラッと見てくるだけ。
「お前は板書も終わってねぇんだから
俺なんか見ずに早く書け。」
キラッと光る金色の縁の眼鏡を
中指で押し上げる。
その仕草、その動き。
無理、好きすぎる。
あぁ、鉄太くんに恋してる。
『だって私目悪いんだもん、
書く気失せるじゃん?』
「あーもうっ。」
バンっと私の机の上に乱雑に置かれた
鉄太くんのノート。
『ん?』
「早く写せ。」
『えっ、鉄太くん…♡』
「いいから、さっさと写して返せよな。」
たまに鉄太くんはこうやって
優しくしてくれる。
鉄太くんは良い人。
でも不良少年。
喧嘩も強いけど、
賢くてすごいって噂らしい。
単に殴ったりするんじゃなくて
頭を使って戦う方が勝ち目が上がるって
いつだったか鉄太くんが言ってた。
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作者名:ゆゆゆ | 作成日時:2022年11月27日 13時