ﾖﾝ ページ5
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Te「はんふぁふぉひふぃふふぉ…」
Ry「ごめん、全く何言ってんのかわかんない」
Mu「食ってる途中に喋ろうとすんなよー」
うちの高校の食堂のご飯は、そこそこ美味しい。
席もたくさんあるから座れる。
休み時間は心地が良い。
勉強は普通よりは出来ると思うけど、勉強をしている時間は好きではない。
食堂にはあまり人気ないけど実は美味しい私の好きなメニューがあって、てつやにそれを教えたのは高一のとき。
その時にハマってくれて、今も食べている。
彼にはそんな素直で可愛い一面もある。
Te「なんか、としみつとA噂されてない？」
しっかり飲み込んでから話し始めるてつや。
滑舌が悪い。
「またその話かよー」
Sh「今日俺が話してたやつだ！」
「どんだけ噂好きなんですか女の子は」
Ry「火のないところに煙は立たないよ」
「いやいや、ほんとに何もないんだって。としみつはもう私の事きっとただの友達としか思ってないよ」
Mu「んじゃ、嫌いなの？」
「嫌いでは…ないけど」
Ry「好きなの？」
「それは、…ない。ありえない」
本当は、まだ少しだけ、ほんの少しだけ未練があるだなんて、バカバカしすぎて誰にも言えない。
でもその気持ちは本当にほんの少しだけで、きっと蓋をし続ければいつの間にかなくなってしまう。
私は今、その時を待っている。
「未練なんて全くありません！」って堂々と宣言出来るようになるために。
Yu「お、ここ入っていい？としみつと」
Sh「いいよー」
Yu「なに、なんの話で盛り上がってたの？」
Mu「えっと…陸部のマネージャーに可愛い子いるよねって話」
としみつが来たからとっさに嘘をついてくれたざわくん。
優しい。
気が利く人だ。
To「横いい？」
としみつが私の横のちょうど一人座れるスペースを見つけたようで、私にそう問いかける。
「いいよ」
To「今日の朝ごめんな、あれ、肩ぶつけたやつ」
「あ、いやいや全然大丈夫」
としみつと話したのは別にそんなに久しぶりではない。
付き合っていた頃よりは話さなくなったけど、文系クラスに行った時には必然的に会話してしまう。
To「お詫びになんか奢ろっか？」
「え？ありがと」
To「うっそー」
駄目なんだって。
「奢れよー！」
To「何様だよ！」
駄目なんだって。
としみつと話すと別れてから蓋をしてきた気持ちが、溢れてしまう。
忘れられなくなる。
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作者名：夜行性 | 作成日時：2019年5月11日 7時
