ｻﾝｼﾞｭｳﾆ ページ33
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Te「そんなに悩むんならさ、俺にしたらいいのに」
「…ぇっ、」
Te「何年も片想いしてる。お前がとしみつに出会う前からずっと…」
私の唇とてつやの唇が触れそうになった瞬間、何故か体が勝手に抵抗した。
違う。
嫌じゃない。
体が勝手に、口が勝手に動いて言葉を紡いでいく。
「…ごめん」
Te「…っ」
「私、こんなんだけど、としみつのこと…めちゃくちゃ好きなの」
てつやはただ呆然と私を見つめているように見えた。
Te「…うん、分かってるって」
てつやのその少し悲しげな表情に、涙腺がさらに緩ませられる。
ごめんね、てっちゃん。
私、伝えるの下手くそだし。
思ってること全部伝えたいけど。
「ごめん、てっちゃん」
Te「いや、いいんだよ。ずっと前から分かってたことだし！」
「ありがとう、てつや。……大好きだよ」
今はまだ、これしか伝えることが出来ないんだ。
"
Mu「おはよ」
「おはよー！あ、りょうくんもおはよ」
Ry「おはよ！」
Sh「あ、A来てんじゃん！おはよ！！」
元気を取り戻した私に、少し驚いている三人。
でも、あえて何があったのか聞かないところ、流石理系。
気が利くなぁ。
「私ね、決めたんだ」
あの事、てつやの事があってから私は自分の気持ちに"素直"になれたんだ。
私は、としみつのことが好きだ。
どうしようもないくらいに大好きで、そして少しだけ、嫌い。
素直じゃない彼が、少しだけ、嫌い。
でも好き。
こんな複雑な気持ちだけど、伝えるしかなくて。
「告白する」
三人は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに目を見合わせて笑っていた。
"そうくると思ったよ"
"A、やるじゃん。流石"
"これだからやめられないんだよ、Aと友達でいること"
背中を押してくれた。
ありがとう、みんな。
やっぱり、この三人と同じクラスで良かった。
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作者名：夜行性 | 作成日時：2019年5月11日 7時
