ねぇ、素直になってよ【東海オンエア】 (ページ32)

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ｻﾝｼﾞｭｳｲﾁページ32

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Te「見てこれ笑としみつみたい」

てつやが指さした先にあったぬいぐるみは、確かに鼻が大きくて少しとしみつみたいだった。

「ふふっ、」

Te「あっ、笑った」

「え？」

Te「今日あんまり楽しそうに笑わないから」

「…」

そんなつもりはなかったはずなんだけど、てつやには心の内がバレバレだったみたいだ。

楽しくないわけじゃない。
ただ、どうしてもとしみつが頭から離れなくて。
ジェットコースター乗り終わっても、「としみつだったらきっと…」とかお土産見てても、「これとしみつ好きそう…」とか。
なんでだろう。

私は今、としみつの事が大嫌いで、大好き。
てつやのことは、大好き。
なのになんでマイナスが多いとしみつのことばかり頭に浮かんでしまうんだろう。

Te「そんなに黙りこまれたら困るなぁ笑」

「…ごっ、ごめん」

Te「いいの！ほら！最後に観覧車でも乗ろ」

てつやが手を握ったまま走り出す。
この光景、何回目だ。
陸上部に走らされるの。

平日だからガラガラの遊園地も、やっぱり楽しい。
てつやの手汗が握られた私の右手にしみてくる。
汚い笑

Te「走らせすぎた？」

「…うん、うん疲れた笑」

観覧車に入って、向かい合う。

てつや…相談したいことがあるんだ。
少しでいいから、聞いてくれないかな？

「ねぇ、てっちゃん」

Te「ん？」

「私さ…、どうしたらいいんだろう」

Te「としみつも…嫌いじゃないんだよ、Aのこと」

分かってる。
ただ単にツンデレなだけだ。
私が優しいこととか好意をみせるようなことをすると、恥ずかしくなって素直になれない。
そんなこと、ずっと前からわかってるんだけど。

「やっぱり、いい加減、素直に…なってほしくて。そうじゃないと、としみつの本当の気持ちが…わかんないよ」

Te「おい」

てつやが声色を変えて私の手を握る。
目に溜まっていた涙が一粒零れる。

てつやの唇が近づくから、驚いて目を閉じる。

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