ねぇ、素直になってよ【東海オンエア】 (ページ27)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:69,688 hit

ﾆｼﾞｭｳﾛｸページ27

"

何も考えない。
聞こえない。
見えない。

目を閉じて、ウォークマンから流れる音楽をイヤフォンで楽しむ。
心地良い。

Ry「おーい」

Mu「おぉーい！」

Sh「うぉおおおおおいいい！！」

「っ！何！？」

大声に驚かされ、イヤフォンを外す。
すると目の前にはりょうくん、ざわくん、柴田がいた。

Ry「どうした？なんか今日おかしいよ」

この三人は、私が昨日の放課後としみつを誘ったことを知っているはずだ。
その時の事がどんなに災難だったかは知らないけど。

あえて聞かないようにしているのかな。
いや、聞きに来たんだろう。
三人揃ってこっちに来るのは珍しい。

私は考えたくもないけど、彼らは結果を知らないわけだからね。

「結果…聞きに来たんでしょ？笑」

無理矢理笑ってみる。
その様子があまりにもぎこちなさすぎたか、三人は頭に？を浮かべる。

その時、チャイムが教室に響き渡った。
"また後で聞かせてね"と、それぞれ一限の用意をし始めた。

Sh「今日の昼飯四人で食べよーぜ」

「えっ、うんいいよ」

後ろから囁き声がして、少し耳がくすぐったい。
柴田はよく聞くと若干イケボなのがウザい。

Sh「その時、昨日のこと教えろよな！」

「…おっけー」

今は思い出したくもない結果だけど、何度も思い出してしまう。

"行くわけねぇじゃん"

ずっとリピートされる。
きっと悪気はないんだろう。
彼はいつもそんな感じだ。

きつい言い方に悪気はないとしても、行く気がないのは事実だ。
じゃあ、どうしよう。

ポケットに手を突っ込んで、少しぐしゃっとしたチケットを確認した。

ペアチケットだし二人じゃないとな。
友達とでも行くか。

とりあえず今はその事は忘れて授業に熱心に取り組んだ。

"