ﾆｼﾞｭｳﾆ ページ23
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友達「ヤバい男子リレーマジでかっこよすぎる！」
友達の好きな人が出るので、ウキウキしている模様。
「そうだね〜…私の人も出るからな…」
後半をボソボソと呟くと、必ず聞き返される。
きっと、聞こえてないだろう。
友達「やばいっ！A！始まるよ！」
腕を思いっきり引っ張られ、観客席から遠く離れたスタート地点を目を細めて見る。
銃声とともに走り出す男子。
初めの方は私たちのクラスもかなり速かった。
ここまでは想定内。
「今んとこ順調だね…えっ」
さっきまで隣にいたはずの友人が柴田と入れ替わっていてとっさに声を出してしまった。
Sh「ここからが本番」
「そうだな…」
バトンがとしみつに渡される。
自分のクラスを応援しないといけないのに、どうしても彼が視野から離れない。
目で追ってしまうから。
野球部のマネージャーの女の子達に「としみつ頑張れー！！！」「としみつ先輩頑張ってくださいー！」なんて目をハートにして応援されても気にしない様子。
真剣だな。
やっぱり…かっこよく見えてしまうから。
「としみつ頑張れっ…」
隣の人にも聞こえないような小声で、呟く。
彼が私たちの前を通る。
脈が速い。
彼から目が離せない。
「あっ、」
目が合った。
としみつのスピードが上がって、先程までリードしていた私のクラスの好青年を追い越す。
それから、いつの間にかリレーは終わっていた。
結果はとしみつのクラスの勝利。
Sh「ねっ」
「っえ、っと…どうした？」
Sh「ぼーっとしすぎ」
「ごめんって笑」
Mu「コーラ買ってきたけどいる？」
リレーが終わってから席を外していたざわくんが戻ってきた。
私たちの分も買ってきてくれるなんて気の利く人だ。
Sh「マジありがと」
「ありがと」
炭酸の強めなコーラをごくごくと飲む。
口の中が痺れるのも気にならないほどに、彼のことが頭から離れなかった。
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作者名：夜行性 | 作成日時：2019年5月11日 7時
