ﾆｼﾞｭｳｲﾁ To ページ22
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Te「お腹空いたー！！！」
午前の部が終わり、お昼ご飯タイムに入った。
てつやとゆめまると一緒に食堂へ向かう。
Yu「午後って何から始まるっけ？」
To「男子リレーじゃね？」
Yu「それだ！」
Te「頼んだぞ！笑」
六人のリレーで、俺が四番走者、てつやが五番走者でゆめまるがアンカーだ。
ほぼ勝ち確のメンバーだが、やっぱり人前で戦うのは緊張する。
To「てつや、実行委員の仕事ちゃんとやっとるん？」
Te「やっとるわ！」
Yu「また迷惑かけてない？笑」
Te「かけてねぇ！りょうとAがイチャイチャしながら得点計算しとるわ笑」
To「…その二人恋仲だっけ？」
てつやの何気ない一言に、一応首を突っ込んでおく。
"Aの好きな人"がりょうかもしれないし。
てつやは知ってるけど、俺は知らない。
これはてつやの方が一枚上手じゃん。
Te「さぁね〜」
どっちともとれるようなてつやの言い方に少しイラッとくる。
でも、りょうは違うような気がするな。
俺の勘が騒いでる。
Yu「えっ、としみつAの好きな人知らないの？」
To「えっ、ゆめまるも知ってんの？」
Te「知らないのとしみつだけだよ」
To「えぇ？」
Aの好きな人…知らないの俺だけ…。
To「もしかしてさぁ、…俺？」
長い沈黙が続く。
二人とも微妙な表情で俺を見つめる。
だんだん恥ずかしくなってきて、俯く。
耳が熱いのは気温のせいにしたい。
To「ごめん、なんでもない！笑」
Te「びっくりしたわ」
沈黙は破れた。
でも、俺って可能性は？
無くはないよね？
いやいやいや、
流石に自惚れすぎか。
付き合っていた時も、愛情表現なんかあんまりなくて。
でも、俺の事…好きだったはずじゃん。
いや、自惚れるのはよくない。
Aの好きな人なんて、ゆめまるの運動神経の良さと、りょうの容姿と、しばゆーの奇想天外さと、ざわくんの頭の良さと、てつやの優しさと男気を全部足したような人だろう。
今更俺のところに戻ってきてくれるはずがない。
別れた時、目に涙が浮かんでた事。
俺だけが知ってるから。
でも、今のAの気持ちなんて全く分からない。
Aと俺の距離、なんでこんなに遠くなったの？
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作者名：夜行性 | 作成日時：2019年5月11日 7時
