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「わぁ、やっぱりアホ部の家は広いんだなぁ。
行くとしても別荘で合宿だし」
「ッハン、当たり前だろ。あとその呼び方はいつになったら直るんだ?アーン?」
……合宿?
そういえばそうだ。2人の共通点はテニス。
そしてどちらの学校も全国区の強豪である
それに2人とも部長だ
知り合いでもおかしくない。
頭の隅で考えていた事が解決し、少しスッキリした
『国光、元気かなぁ……。』
「今、国光っていった?
もしかして手塚?」
『え、あ、うん』
気づいたら口に出ていたらしく見るからに驚いた様子の幸村くんと、少しムッとした景吾。
「ののって、何者?」
幸村くんの目はキラキラとしていて、純粋に興味があると伝わってくる
『……さぁ?』
ぼんやりとした答えだ。しょうがない、私もわからないのだから。
たまたま私の周りにテニスに関わる人が集まっているだけ
_____あの人もテニスやってたな
本当に不思議なこともあるものだ
鼻の奥がツンとする
目の端が熱くなる
気づくと頭を優しく撫でられていた
「大丈夫か?」
『景吾、大丈夫。ごめんね』
「あぁ、いい。お前はちょっと俺様についてこい」
『幸村くん、少し待ってて』
「あぁ、ってもう呼び方戻ってるし……。」
-side幸村
顔を上げるとそこに彼女はいなかった。
もちろんアホ部も。
きっとAは俺が名前呼びに変えたことすら気づいていないだろう。
なんであのアホ部は名前呼びで俺は違うんだ……。
少し苛立ちを覚える
その当てつけに今日一杯はあいつのことアホ部と呼ぶことにしよう
一人心に決めた。
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作者名:星乃 | 作成日時:2018年2月10日 20時