“元”支配者だった私。【ハイキュー】

31話 ページ33

Aside


その日は､部活が無い日だったから先生に許可を貰ってひかりと体育館で練習をしている







『…ちょっと休憩しよっか』









練習して数時間経った時にそう言うと









ひかり｢そうね｣









と､いつも煽りを忘れないひかりが素直にそういうのだから相当疲れたのだろう









“そういえば”と思って私はリュックからスマホを取り出してある試合を調べる









ひかりが









ひかり｢なにしてんの｣









と､聞いてきたから









『ほら､ひかりが今朝言ってたやつ｡“コート上の王様”って人の試合気になったから』

ひかり｢ふーん｣









私は調べてからひかりの元に寄って一緒に観る体制に入る









何も言ってはないけどこの流れ的に一緒に観た方がいいよね









そう思って試合を観ると見慣れたその人に目がいく









ひかり｢あ､そのセッターの人が“コート上の王様”って人｣

『……え？』









コート上の王様…それは私が見覚えのある人にそっくりだった









ひかり｢なに？A､王様と知り合いなわけ？｣

『あ､いや…知り合い…と言うより､なんだろ｡サーブを教えてくれた人……かな？』

ひかり｢ちょっと似てると思ったけどそういうこと｣









ひかりは差程驚くわけでもなく至って普通に返事をする









でも私は驚きを隠せなかった









私のサーブを作ってくれた人が“コート上の王様”ってやつでそして───────









『………………』









この､試合……









この子は私と同じ道を踏んでしまった









王様…ね、私が想像してた意味で作られたわけじゃないんだ









“独裁者”









中学の頃､私もそうだったようにこの子は…影山飛雄は独裁者になってしまった









私は昔の自分を見ているようで嫌だった









だから､試合を最後まで観ないでスマホの電源をそのまま消す









ひかり｢？ちょっと､どうしたの？｣









その行動を不思議がってそう聞いてくるひかりに









『……昔の私みたいで嫌だ』









と､言った

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