社長がお呼びです。２

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すぐに携帯鳴ったけど、
安田社長からのラインは未読無視してやった。


「休みやし、
気晴らしにどっか行く？」


神山くんが聞いてくれて、
ちらっと安田社長の顔が脳裏をかすめたけど・・・


いつも神山くんと会社帰りに出かけてるの、
社長も知ってるし、いいかなって。


「うん。
気晴らししたい」


「じゃあ、どこ行こっかな。
後ろ乗り」


神山くんが、
さっさと自転車に乗って、
当然のように勧めてくる。


自転車の二人乗り。


それはさすがにどうだろう。


ちょっと迷ったけど、
安田社長なんかもう知らないって思って。

やけになって、乗っちゃった。


自転車で快走。

風切って住宅街を抜けて、
坂道下ってく。


学校サボった不良娘みたいに、
ゲーセン行った後にカラオケ。

私、音痴だし、
カラオケって、
あんまり来たくなかったんだ。

でも神山くんなら、平気。


カッコつけたり、意識しないで済む。


同い年だからかな。

一緒にいると楽なんだ。


ずっと社長からの電話は無視してて、
だけど、そろそろ不安になってきた。


今日の夜、
晴子と約束あるから、
ずっとこんな事してたら、
今日中には社長と会う時間がない。

明日になったら、
ますます会いづらくなっちゃいそう。


そんなこと考えてて・・・

最後の方は全然、曲に集中出来なくて。


「どうしたん？」


神山くんに心配されて。


「前の会社の同期の子と約束があって・・・」


そう誤魔化した。


いや、本当に約束してるわけで、
誤魔化したって変だけど・・・



そしたら、
カラオケ出て、
駅前で、たまたま神山くんの高校時代の友達に遭遇。


立ち話してたら、
晴子もそこにやって来て・・・


なんだか、
流れで、
みんなで飲むことになっちゃった。

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