社長がお呼びです。２

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慌てて、押さえた口元。


私のその手を、
社長の手がそっと包み込んだ。


「可愛い声して。
感じやすいねんな」


からかうように言って、
ふって笑う。


「けど、今日はここまでで、
我慢しとこな。
会社やし。
止められへんなる前に」


急に突き放すなんて・・・


恥ずかしくて、消えたくさせて。

安田社長は意地悪だ。


真っ赤になってるはずの顔、
見られたくないから、
社長の肩におでこをくっつける。


「どうした？甘えんぼ？」


社長は何にも分かってなくて、
髪を撫でながら、そんなこと言う。


「違います。
顔、見られたくないだけです。
社長なんか・・・」


「ん？また拗ねちゃったん？」


顔、見られたくないって、
さっき言ったとこなのに、

社長が少し私の身体離して、
顔を覗き込んでくる。


「拗ねてないです。
社長が意地悪するから・・・」


「え・・・？！
嘘・・・
続き、したい？
我慢、出来ひんとか？
Aちゃん、
意外とえっちやねんなあ。
それはそれで・・・
めっちゃええな」


なんか、思いっきり勘違いされてる。


勘違い、でもないのかな。


私・・・


もっと、求めて欲しいって、
思ってたかもしれない。


「違います！
社長のバカ」


「バカ、って・・・ひど。
どうしたん？
じゃあ何怒ってんの？」


「どうして分かんないの？
意地悪、言って、
笑ったくせに」


「ん？意地悪言うた？
俺、何言うたっけ？
えっと、
・・・感じやすて、可愛い声やなあ？
やった？」

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