社長がお呼びです。２

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はっきりそんな風に宣言されて、
恥ずかしいのと、
嬉しいのとで、

胸の中がもう、めちゃくちゃになりそう。


「ちゃんと、顔、見しときなさい？」


握りしめてたクッションを、
安田社長がそっと手にして、
自分の膝に乗せる。


「見ないで下さい」


顔、隠す手立てがなくなって、
慌てて俯いた私を覗き込んで、


「こっち向いて？
Aちゃんに・・・キスしたい」


そんなこと、言うから。

ううん、ってしちゃった。


今、キスなんかされたら、
おかしくなっちゃいそう。

そのまま、きっと、流されてしまうに決まってる。


上手く出来る自信もないし、
カラダにも自信なんかないし、
嫌われちゃう。


それに、こんなに早くそんな・・・

軽く思われてるみたいで嫌だ。


ほんとはキスして欲しいのに。

胸の中、ぐっちゃぐちゃ。


「Aちゃん、怒ってる？」


安田社長が不安そうに聞いてくる。


私が怒ってないのなんか分かってるくせに、
ずるいんだ。


何にも答えないでいたら、


「まいったな」


そう言って、社長が苦笑いしたのが分かった。


でも、本当は困ってなんかないの、分かってるんだから。


ドキドキで、
私だけが、
もう窒息寸前。


この部屋、酸素が薄過ぎない？


これ以上拗ねてたら、社長、呆れちゃうよね。


急に不安になってきた。


「・・・怒ってなんか、ないです。
でも、じっと見たらダメです」


なんとか、言えたけど、
私を見て、ふって、笑うの。


「・・・恥ずかしいん？
可愛い」

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