社長がお呼びです。

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麻美さん、そう言って、
にこって、笑った。


凄く凄く綺麗な笑顔だった。


それから、
神山くんの腕を組んで、


「神ちゃん、すばる君のバーまで送ってくれへん？」


甘えた声でそう言った。


「はい、分かりました」


「ついでに一杯、付き合ってよ」


もういつもの麻美さんだ。


「じゃあね！Aちゃん、バイバイ」


最後に振り返って、
私におっきく手を振った。


なんとなく、麻美さんに会うのは、
これが最後な予感がしてた。





オフィスに戻ったら、
安田社長が、


「待ちくたびれたやんか」


少し拗ねた顔して言って。


いきなり、むぎゅうって抱きしめられた。


「社長？」


びっくりして、少し距離取って見上げたら、
照れた目してて、それにもびっくりした。


「ごめん。
おいで」


私の手を引いて、
社長室へ。


書類のハンコもらう時しか入ったことない。


「いいんですか？」


「ん？何が？」


「社長室に入っても・・・」


「今、勤務時間外やもん。
ええやん。
ここ座り」


ソファに先に座って、隣をぽんぽんされた。


今更だけど、私、今、社長と手、繋いでる。

これって、凄くない？


「はよ。座って」


甘えた声でねだられて、
またびっくりしてたら、

急に腕を引かれて、
社長の上にしなだれかかってしまって。

慌てて離れて、隣に座る。


「さっきさあ、
地震おさまってんのに、
なんでかずっとデスクの下に隠れてもうてたな。
今考えると、おかしいよなあ」


安田社長が楽しそうに言いながら、
また、私の手を取って、繋いだ。

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