社長がお呼びです。

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ちゃんと話を聞きもせずに逃げ出したこと、
後悔し始めてる。


丸山先輩にもあやふやな失礼な態度を取った。


ちゃんと断れば良かったのに・・・


今更、自分の狡さに嫌気がさしてきた。


安田社長がダメなら丸山先輩、みたいなのは、
良くないよね。


昨日はもう、

安田社長のことは諦めて、

丸山先輩と付き合おうとまで思い詰めてたくせに、

私、本当に優柔不断だな。



「今度のイベント、絶対に成功させよな。
業界の中で、知名度上げていきたいし。
大手にはない、細やかさとか、
柔軟な対応力で勝負出来るってとこ、
アピール出来たらええな」


仕事の話をしてる安田社長は、
いつも目をキラキラさせてて、

その少年っぽさに、
また胸がときめいちゃってる。


やっぱり、会っちゃうとダメだ。


気持ちが簡単に戻っちゃう。


空間デザインの例を、
今週中に仕上げることになって、
今日も残業かもしれない。


一昨年やその２年前にあった同じイベントの資料を、資料室から探すとこから始めないと。









要領の良い真琴先輩はさっさと帰っちゃって、

神山くんと社長と３人で残業中。


社長室には今日はブラインドがしてあって、
中が見えない。



夕方頃、
麻美さんは安田社長のマンションに帰って行った。


安田社長はずっと社長室に寝泊まりしてるみたい。


やっぱり、やり直すってわけじゃないのかな。


でもそれなら、マンションに泊めたりしないよね。


いや、麻美さんにとっても、自宅になるのか。



この会社は賃貸物件だけど、

マンションは分譲で持ち家だって、

真琴先輩がまた余計な情報を教えてくれた。

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