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何か一つでもずれてたら、
二人の未来は変わってたかもしれない。
私はそう思ったのに・・・
「ううん。
お母さんがもし、裕くんに連絡しなくてもね。
きっと二人は結ばれる運命だと思うんだ。
家庭教師に来てくれた時、
二浪してる関西弁の大学生で、
おまけに、爽やかなイケメンなのが、
気に入らないって、
お父さんは大反対だったんだよ？」
そんなの知らなかったし。
笑えてくる。
「そうなの？」
「うん。
でも、有香、一目惚れしちゃったでしょ？
高校受かってからも、
家庭教師、続けさせて欲しいなんて言って。
裕くんは、
有香の初恋だもんね」
「うん。
凄まじかったもん。
裕義兄さんへのストーカーみたいなアプローチ」
昔の事、思い出して、笑っちゃった。
裕義兄さんの大学まで、
二人でこっそり会いに行った事、あったなあとか。
私、まだ中学生だった。
お姉ちゃん、あんなに好きな人に振り向いてもらったもんだもん。
絶対に絶対に離れたらダメだよ？
お姉ちゃんに意見するなんて、
今まで絶対になかったけど・・・
明日、退院してきたら、
一度だけ、言ってみようかな。
幸せでいなきゃ許さないって・・・
成田空港。
裕義兄さんとお姉ちゃんを見送りに来た。
お母さんは涙でぼろぼろで。
お父さんは、何も言わないけど、
きっともっと寂しいの。
私も・・・
いつも支えてくれたお姉ちゃんが、
そばにいてくれなくなることの不安と、
お姉ちゃんが向こうでちゃんと幸せにやっていけるのかの心配で、
なんとも言えない複雑な感情になってる。
忠義が私の手をぎゅって握ってくれた。
でも、お父さんの前なのに、信じられないから。
さって振りほどいちゃった。
「お姉ちゃん、たまには帰って来てね。
お金貯めて、会いに行くから」
「うん。無理しないでね。
忠義くんとAの結婚式で帰って来れるかな」
こっそり言えばいいのに。
みんなに聞こえるように言うんだもん。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
裕義兄さんが、
「じゃあ、行きます。
また遊びに来て下さい。
有香の事は、僕に任せといて下さい。
大事にしますから・・・」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月8日 16時
