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ついムキになってしまった。


「ぷっ。おもろいヤツ」


吹き出した大倉店長はもういつもの、
緩い感じで。


さっきまでの色気は何だったの?


「もう戻るから」


立ち上がった時に、
急にドアが開いて、
ヤスくんが入って来た。


嘘。


さっきまでのやり取り、聞こえてた?


「お疲れ様あ。
俺、そろそろ帰らせてもらうなあ」


いたって普通に、ヤスくんが、
ロッカーのカバンを出してる。


聞こえてなかったよね?


安心したのもつかの間。


「相変わらずめっちゃ仲良しやなあ」


今更、何でもないように爆弾発言。


「ちっ、違うのっ」


焦るあまり、
意味通じないような事、言っちゃう。


「Aが悪い事したから、
注意してただけやで?」


大倉店長が、普通に答えてる。


誤解生みそうなセリフ、
お願いだからやめてくれないか。


「ふうん。
どんな悪い事やろ。
Aちゃん、
仕事頑張ってたよな?」


ヤスくんが、分かってるのかないのか、
そう言った時。


私の電話が震え始めた。


仕事中は緊急以外、誰もかけてこないのに。


「お母さんだ・・・」


何かあったのかな。


「出てええで?」


大倉店長が言ってくれて、
慌てて電話に出た。


お母さん、すごく慌ててる。


「A、仕事中にごめんね。
お父さん、出張中だし。
裕くんには連絡しないようにって言われてるから。
Aしか頼れなくて・・・
あの、有香が。
有香が・・・」


「お姉ちゃんが、どうしたの?」

嫌な予感がしてる。


最近のお姉ちゃんは、
思いつめてて・・・

自分を責めるあまり、
どこかに消えてしまいそうだった。


「事故にあったの。
社宅の近くの、踏切のそばの交差点で。
ふらふらしてたらしくて・・・
今から来れる?
お母さんもすぐに行くけど、
そっちのが近いから・・・」


「店長に聞いてみる。
どこの病院?
高木総合病院。
うん。
調べて行ってみるから」


電話切ったけど、まだ手が震えてる。


「A、どうした?」


忠義が聞くよりも前に。


「有香ちゃん、なんかあったん?」


青ざめた顔のヤスくんが、
先に駆け寄って来た。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年11月8日 16時

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