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翌日の昼前に、
実家に着いたら。
１０年前にお嫁に行ったはずの、
姉ちゃんまで来てるねん。
お父さんは仕事で遅れるて言うてて。
お母さんは
あつとやから、あっきいやねんて。
あきと、やないのに、
変な気もするけど。
ちいこい頃に、
あつとて、自分でうまくよう言わんかったから。
「あっきいは信ちゃんとディズニー行ってるから」
「そっか」
久々に会いたかったのに。
あっきい、めっちゃ可愛いねんで？
父親の信ちゃんには全く似てなくて、
俺の子供の頃にうりふたつやねん。
いや、自分で可愛い言うてもうた。
お母さんと姉ちゃんと俺は、
人が言うには、
そっくりらしい。
やから、当然と言えば、当然。
１２時半においでて、
Aには言うてある。
少し前に駅まで車で迎えに行く約束した。
やのに、いつまでたっても電話ないし、
そろそろ心配し始めたとこで。
ビンポーンて、
インターフォンが鳴って。
覗いたら、よそ行きの服を着たAが立ってた。
駅から歩いて来てんや。
よう迷わんかったな。
手には、有香ちゃんの好きなケーキ屋さんの箱。
Aは手土産はここって決めてるっぽい。
キッチンから
お母さんと姉ちゃんがいそいそと出てきた。
Aのことを興味津々に見てるねん。
「初めまして。
AAです。
今日はお招き下さって、
ありがとうございます」
練習してきたんかな、
棒読みで挨拶してる姿がめっちゃ可愛い。
大人っぽいワンピースはまた有香ちゃんに借りたんかな。
少し、見ごろがぶかってしてる。
俺のあげたネックレスつけてくれて。
いつもにもまして、べっぴんに見える。
「そんな堅い挨拶しなくても。
どうぞどうぞ」
お母さんが来客用のスリッパをAに差し出した。
A、珍しくヒールを履いてて。
玄関のたたきからフロアに上がる時に、
つまづいた。
「うわっ」
慌てて抱きとめる。
「すいませんっ」
俺になんでか敬語で謝ってくるし。
めっちゃ緊張してるやん。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月8日 16時
