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「うん・・・」
一言だけ答えた後。
Aが見覚えのない、
リボンのついた袋を抱えて、
戻ってきた。
「店長にプレゼント。
でも他にたくさんあった・・・」
いじけた声で、
そのプレゼントを、
自分の背中に隠して。
なかなか渡してくれそうにない。
「いつもお世話になってるからて、
店のスタッフのみんなからや。
もうすぐ俺が本社に行く餞別の意味もあるらしいで？
あと、レインボーバトミントンは、
ヤスから」
「ふうん。
あの雑誌見たから、
どうせみんな手作りだ。
私はもっと前から作ってたのに」
むうってしてる。
「やきもち妬いてるん？」
つい聞いてもうた。
「別に。そんなんじゃない」
いつも通りのツンツンも、
可愛い。
それに、床に座ると、
シャツの裾が上がって、
余計に色っぽいなあて。
もう見えそうで、見えへん。
いや、さっきまで全部、
奥まで見たのに。
それとはこれとは別問題で。
俺はアホか。
それよりプレゼント用意してくれるって。
思ってもなかった。
しかも手作り。
手作りって？
想像がつけへん。
気になって、しゃあないやん。
「何を作ってくれたん？
ちょうだい？」
「笑わないでね？」
前置きしてから、
袋ごと、渡してくれた。
中に入ってたのは、
小さい箱を抱っこしてるクマのぬいぐるみ。
「めっちゃ凄い。
これ作ったん？」
力作や。
凄すぎ。
「うん。
ずっと頑張ってたのに。
雑誌にあんなこと書くんだもん・・・」
まだむうってしてる。
あれは記者さんが曲解して書いてんけど。
「以心伝心やな？
載る前から俺の気持ちが分かるて。
さすが彼女やな？」
あまりに嬉しさ余って。
Aを膝の上に抱っこしてた。
背中からぎゅうって抱きしめる。
「めっちゃ可愛いクマやん。
名前あるん？」
俺の膝の上にA、
Aの膝の上に、クマ。
「名前は、オオクマたあ君です」
Aが教えてくれたけど、
めっちゃ照れてる。
「なあ、もしかして、このクマ、俺？」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月8日 16時
