店長がお呼びです。４ (ページ17)

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とりあえず、
その場におった６人から、
プレゼント受け取ったら、

みんなそれだけで満足そうに、
帰ってってくれて、
ほっとした。

めっちゃ疲れた。

思わず、車体にもたれてため息ついてたら。

クスクス笑い声がした。

亜由子ちゃんが、俺を見て、
おもろそうに笑ってる。

「そのプレゼント持って帰ったら、
彼女、やきもち妬いちゃうんじゃない？」

「気にせえへんやろ」

あんまし、他の子にやきもち妬いてる様子はないもんな。

さすがに亜由子ちゃんの事は気にしてるけどな。

「私からもケーキをあげたかったけど。
別のもの、用意したの。
明日になれば分かるから」

「明日？」

「うん。
明日。
なにその、恐ろしげな顔は」

「そら、怖いやん。
亜由子ちゃんの言う事やもん」

「ひどいなあ。
これでも中学の時は、
３年連続ミスに選ばれるほど、
可憐だったのに」

冗談めかして言うて、笑うてる。

なんか、吹っ切れた顔してるねん。

「ええ事あったん？」

つい、聞いてもうた。

「うん。
AAちゃんのおかげで」

「Aの？」

「元旦那の両親が、
ついに昨日ここに来たの。
店の前で掃除してたAちゃんに。
私の事、いろいろ聞いてきたんだって。
仕事ぶりとか、
夜の仕事してるかとか、
はるとのいいお母さんかとか。
Aちゃん、私の事、
嫌いなはずなのに、
あの子、お人好しだから。
だから私もお返ししようかなって」

「そっか。
夜の仕事、今日で終わりなんやろ？
専務が寂しがってたわ」

ただのエステティシャンには、
気軽に触ったりご飯誘たり、
出来ひんからなあて。

下心があるんか、ないんか、
大井専務の事はよう分かれへん。

「3千万にはあと少し足りないけど。
はるとの方が大事だもんね」

「めっちゃ指名取ったらええねん。
亜由子ちゃんなら出来るわ」

エステのスタッフの話によると、
新人とは思われへん凄技らしいで？

人の心を掴むのがうまいねん。