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取材て、記者さんの捉え方によって、
曲解されて記事になるから困るねんなあ。
少し飲んで、
バーを後にした。
部屋の前でヤスが、最後に。
「大倉はAちゃんと幸せになれよ。
明後日、家族に認めてもらえるとええな！
おやすみ！」
俺の肩、背中叩いて、
さっさと部屋に入ってってもうた。
横顔がめっちゃ切なくて。
ほんまはもうあいつの中で、
どうするべきなんか答え出てるんちゃうかなって・・・
有香ちゃんが決めることやのに、
おかしな話やけど・・・
ヤスよりええヤツ、この世におらんのちゃうかなって。
俺はいつも思ってる。
やから、こんな俺でも、親友でおってくれるねん。
やのに・・・
俺は苦しんでるあいつに何もしてやられへんのが、もどかしいて。
悔しかった。
５月１６日。
３０回目の誕生日は、
朝からお母さんからのおめでとうコールで、
目が覚めた。
今日はAは仕事休みやねん。
で、俺が仕事してる間に、
ここで、ケーキを作って待っててくれるて。
仕事終わんのが、今から待ち切られへんわ。
仕事中も、今日は浮かれ気分で。
ただ、予約台帳を確認してただけやのに、
鼻歌漏れてて。
夏子ちゃんに、
「大倉店長、ご機嫌ですねぇ」
て、肘で突っつかれる始末。
「Aちゃん、
何なら、昨日から張り切ってましたよ？
ケーキの材料と、
洋服は何にしようとか。
私しか二人の事知らないから、
いろいろ相談されちゃって」
他人の恋愛事やのに、
夏子ちゃんが浮かれてる気がする。
めっちゃええ子やのになあ。
なんで長年、彼氏おれへんのやろな。
「またAの話し相手になってやってくれたら、助かるわ。
俺、もうすぐ本社行ってまうし・・・」
有香ちゃんが、アメリカに行くって、
めっちゃ落ち込んでたからな。
有香ちゃんがヤスを選べば、
今まで通り、
Aのそばにおってくれるわけやけど。
ヤスの親友やのに、
こればっかりは、
あいつの味方出来ひん自分がおる。
人の心は法律では縛られへんけど。
一生を誓い合ったのに・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月8日 16時
