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初めて、裕義兄さんの事、
そんなに大人じゃなくて、
本当は支えが必要なんだって、感じた。
「隙間、作ったんは俺やもんな。
分かってる。
俺が有香の気持ち、
つかまえといたら良かってん。
あいつがああ見えて、
ほんまはめっちゃ保守的で怖がりやて、
俺が一番知ってるし。
幸せにしたいねん。
誰よりもな幸せでおってくれな、困るねん。
最後に惚れた女やから・・・」
お姉ちゃんは幸せ者だ。
それに愚かだ。
こんなに想われてるのに・・・
「私、お姉ちゃん、探してくる」
「多分な、バイト先のパン屋の裏手のちっこい公園におるわ。
有香、あっこで本読むん、好きやねん」
裕着兄さんに聞いて、
部屋着のままで、
スニーカー履いて玄関を飛び出した。
何時なのかも分かんない。
裕義兄さんの言った通り、
お姉ちゃんはそこにいて・・・
だけど・・・
私が見たお姉ちゃんは、
ヤスくんの腕の中にいた。
気付いたら、大倉店長がすぐ後ろにいて。
私の肩から、
自分の着てたパーカーを羽織らせてくれた。
「こんなカッコで真夜中に出歩いて。
帰るで」
私の手をぎゅって握って、歩き出す。
「店長、でも、お姉ちゃんが・・・」
大倉店長、あんなに二人きりにするなって、
言ってたのに・・・
「もう、俺らが何言うても、
変われへんて。
自分で決めるしかない」
寂しそうに言って、
私を見た。
大倉店長は、
親友だし、ヤスくんの味方だと思ったけど、
違うみたい。
凄く凄く悲しい顔してるから・・・
私と同じこと、考えてるのかなって。
だって・・・
店長の部屋に着くなり、
キスしてくれた。
少し、お酒の匂いがして。
「俺はずっとお前だけ見てるから」
切なく呟いた店長の首に腕を回して、
抱きつく。
「私もだよ？」
他の人なんて、見えるわけない。
何年先も。
今の気持ちは絶対に変わらない。
信じたい・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月8日 16時
