社長がお呼びです。７ (ページ6)

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翌朝。

真っ白な部屋が寂しいって言ってたから。

うちにある一輪挿しの花瓶も荷物に入れて、
お花屋さんに寄ってから病院へ。

病室に着いたら、
ベッドはもぬけの殻。

章ちゃん、どこ行っちゃったんだろう。

廊下に出て、周りをうかがってたら、
エレベーターから、

中島さんと章ちゃんが、
降りて来るとこだった。

章ちゃん、病院で支給された、
ブルーの病衣を着てる。

似合っててカッコいいけど・・・

中島さんと楽しそうに笑い合ってて、
胸が、ざわざわでいっぱい。

「安田社長さん、
この検査の後は特に、
安静にして、無理したらダメですよ？」

「はい。
分かってます」

お花を抱いたまんま、
廊下に立ち尽くしてる私に、
章ちゃんが気付いた。

「あっ、Aちゃん！」

顔がぱっと明るくなって、
こっちに急ぎ足で歩いて来ようとして、
中島さんに、
ガシッと腕を掴まれてる。

「社長さんってば、
今さっき安静にって言ったばっかりなのに」

叱ってるというよりは、
鼻にかかった甘い声。

私の章ちゃんに、気安く触んないで、

って、叫んでた。

胸の中で、だけど・・・

章ちゃんと付き合うようになって、分かったこと。

私、独占欲、めちゃくちゃ強いタイプなんだなあ・・・

重たい女なのかも。

自己嫌悪・・・

トルコ桔梗のお花を飾ったら、
味気ない部屋が、明るくなった。

「Aちゃん、ありがとおな」

寝てなきゃいけないはずなのに、
章ちゃんが、後ろから抱きしめてきて、
首筋にすりすりしてる。