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「はい。
どうしてもアイス食べたなって。
ちゃんと、
ご飯も残さずに食べます」
章ちゃんが、
まるで生徒みたいに謝ってるんだ。
「入院中は私が安田さんのお世話しますので、
よろしくお願いしますね。
じゃあまた、食器は下げに来ますね」
ナースの中島さんが、
鼻にかかった甘い声で言って、
可愛いらしく微笑みかけて、
名残惜しそうに出て行った。
章ちゃんが、
社長だから？
それとも、
こんなに可愛いらしい見た目だから？
分かんないけど、
完璧にロックオンされてないか？
狙った獲物は逃さない、
そんな目をしてた気がして。
思わず、ぷるぷるしちゃいそ。
さっきは全部残さずに食べるなんて、
良い子のお返事してたのに。
「Aちゃん、ご飯まだやろ？
半分こしよ」
ちょいちょいって、
私を手招きしてくる。
「章ちゃんがちゃんと食べなきゃ」
「そんな食欲ないねんもん。
あ、アイス食べたせいか」
悪びれずに、てへって笑ってる。
その姿が悶絶もののかわゆさ。
「見つかったら、
あのナースさんに叱られちゃうよ？」
「見つかれへんて。
お腹の中は見えへんもん。
はよ食べよ」
「しょうがないなあ」
病院のご飯って食べたことない。
見た目は、
昔々食べた給食みたいで、
微妙だな。
ベッドの脇のパイプ椅子に座って、
二人で味気ない夕飯。
「はい。
Aちゃん、あーんして」
今度は章ちゃんが、
私の口にお箸を運ぶ。
ドキドキして、
味なんか分かんない。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年9月10日 10時
