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「またいつでも遊びに来てね」


「今日は息子の相手させてしまって、
ありがとうございました。
すごく懐いちゃって。
相当、楽しかったみたいです」


お父さんとお姉ちゃんは
にこやかに送り出してくれてるのに。


お母さんは、
口では、


「お気をつけて」


って機械的に言うものの、
ぶすっとしたまんま。


拗ねてる子供みたい。


「私、駅まで送ってくるね。
お父さん、車貸して」


二人きりになって、
お母さんのこと、
謝りたい。


章ちゃん、
本当は怒ってないか、
少なくとも嫌な気持ちにはなってるはずだから。

すぐにフォローしないと、不安。


「はい。
ぶつけんなよ」


お父さんから鍵を受け取った時、
弟の泰輝が帰って来た。

仕事だったみたいで、スーツ。


「え・・・」


章ちゃんを見て、瞬間、固まった。


「お邪魔してます。
初めまして。
Aちゃんとお付き合いさせてもらってます、
安田章大と言います」


「あっ。
姉の・・・
弟の泰輝です」


泰輝が名刺を差し出して、
章ちゃんと交換してる。


泰輝もすっかり大人になったんだなあ。


「A姉、いつ結婚すんの?
休み取るから、早めに教えてね」


でっかい声で聞いてくるから、
お母さんに聞こえないか、
私が焦る。


「出来たら、春頃にと思ってます」


章ちゃんがはっきり答えてくれた。


「そうですか。
姉のこと、よろしくお願いします」


若い弟までがそう行ってくれてるのに。

お母さん、もう加減、観念してくれないかなあ。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2018年9月10日 10時

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