社長がお呼びです。７ (ページ23)

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「いいやんか。
嬉しかってんもん」

そんなやりとりしてる。

「すばる君と結婚式出来て幸せ」

可愛いく甘えられて、
渋谷さん、ますます真っ赤っかに。

いつも平然と構えてるイメージの渋谷さんが、
こんなに照れて、
あたふたしちゃうなんて・・・

麻美さんてやっぱりすごい。

男を虜にする、魔性の女だ。

麻美さんて、女から見ても、
文句なしに可愛い人が、
自分の元に戻って来たっていうのに。

あの時、章ちゃんが、
くらっとこなかったの、
本当に不思議だ。

良かった・・・

感動的な挙式の後は、
すぐそばの会場で小さな披露宴。

丸山先輩がモノマネしたり、
神山くんがダンスしたりで、
すごく盛り上がった。

愛理ちゃんは、
もう、自由自在に踊る神山くんに釘付け。

目からハートの矢が神山くんに向かって、
ものすごい速さで飛んでくのが見える。

神山くんに、
こんな特技があるなんて、
私もちょっとびっくりした。

お食事も美味しいし、

何より、麻美さんと渋谷さんが、
ずっと幸せそうに笑ってるのが嬉しい。

麻美さんの高校時代のお友達が、
感動的なスピーチして、
つい、もらい泣きまでしちゃった。

「Aちゃん、感動して泣いてんの？」

章ちゃんが、
ちょっと驚いて聞いてくる。

「うん。
あんなに幸せを願ってくれる友達っていいなあって」

私も、晴子や愛理ちゃんの結婚式、
きっとあんな気持ちで迎えるんだろうなって、
自分に置き換えてたのかな。

最後に、
章ちゃんたちのバンド演奏。

私までドキドキしてきちゃって・・・

手汗がハンパない。

ステージに立った章ちゃんは、
心から楽しそうで、
きらきらした笑顔。

大倉さんのドラムの音で、
演奏がスタート。

明るくてテンポの良い一曲目が終わって、

二曲目は、

章ちゃんのソロでの弾き語り。

聞いたことない曲だけど、
とってもあったかくて素敵な曲。

二人に向けた、
おめでとうの歌。

章ちゃんは、
渋谷さんと麻美さんのために歌ってるのに、
まるで自分に向けて、
歌ってくれてるような錯覚して。

もう鳥肌が立って、
一瞬たりとも、見逃しちゃいけないって、
強く強く思って、

瞬きも忘れて見つめてた。

さっきの愛理ちゃんのこと、
笑えないよ。

私の目からも、
ハートの矢、
無数に飛んでるはず。