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「帰り、家建てる予定の街、
また見に行こか」
章ちゃんが嬉しそうに言うんだけど。
「無理したらダメって言われたばっかでしょ。
今日はまっすぐ帰って、おとなしく寝てなきゃ」
つとめて冷たい声で注意した。
「ええっ?!
おとなしく寝なあかんの?
入院中、ちゅうだけで、必死で耐えててんで?
もう我慢も限界に来てるねんけど・・・」
にちゃっていたずらっぽく笑って、
言ってる意味、って・・・
甘えた可愛い言い方してるけど、
多分ではなく絶対、えっちな意味だよね?
「めっちゃ辛いねんけど。
なあ、ほんまにあかんの?」
「それは、えっと・・・
章ちゃんがしたいなら・・・」
「うわ。
Aちゃん、えっちやな。
シたいって・・・」
章ちゃんが先に言ってたくせに。
「もおっ。
そんなこと言ってないもん」
ふくれる。
拗ねて、もおって、肩を押そうとした手をつかまえられて。
優しく、恋人繋ぎされた。
「はよ帰って。
続き、しよな?」
「・・・」
何か答えると、揚げ足取って意地悪されるから。
ん、ってうなづくだけ。
頬が熱い。
私だって、章ちゃんにくっつきたくて、
もう限界だったんだから。
その夜は、
今までで一番って言っていいほど、甘い夜だった。
無理しちゃいけないから、
早く寝るって約束してて、
だからこそ。
「短時間の一回に愛をめちゃくちゃ込めんとな」
章ちゃんが赤面するような宣言してた。
宣言通りの濃ゆい時間で・・・
珍しく先に寝ちゃった章ちゃんに、
「愛はちゃあんと受け取りました」
そう言って、おやすみのキスして、
私も眠りについた。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2018年9月10日 10時