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時計を確かめて、
針がぴったり２４時を指したところで。
「章大さん、お誕生日おめでとうございます」
少しふざけて、かしこまって言う。
章ちゃん、ぽかんとしてる。
「章ちゃん？
消して消して」
「あっ、うん」
はっとした章ちゃんが、ロウソクの火を消して・・・
私がちっちゃく拍手したら、
「ありがとう」
そう言った章ちゃんの目、潤んでる気がするの。
「このケーキ、
Aちゃんの手作りなん？」
章ちゃん、本当に驚いてる。
「うん。
スポンジのイチゴの作りたかったんだけど、
何回練習しても失敗しちゃって。
この季節、イチゴも売ってないし・・・
だからいつも作ってるレアチーズケーキにしたんだ」
「いつもこんな手のかかりそうなん、
作ってるん？」
「うん。
食べたいし・・・」
食い意地はってるみたいで、ちょっと照れる。
ホールのケーキを、
８等分して、
章ちゃんの分だけ、お皿に。
「めっちゃ美味しい。
Aちゃん、ほんますごい。
また惚れ直してもうた」
章ちゃん、
夕飯のボリューム結構あったのに、
美味しそうに、
ぱくぱく食べてくれる。
私は夜中だと太るから、
さすがに今は我慢だ。
「Aちゃんは食べへんの？」
「美味しいステーキ食べて来たから。
お腹いっぱいなの」
「結局、お父さんにご馳走になってもうて。
申し訳なかったな・・・」
「気にしなくていいよ。
お父さんも楽しそうだったし」
最後の一口を食べずに、
章ちゃんが私を見た。
「Aちゃん、誕生日やし、
食べさして」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
