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エレベーターがやって来て、
乗り込んだお父さんが、
「彼を信じて、
二人で仲良くやりなさい。
お母さんには、
上手く言っておくから」
笑顔でそう言ってくれた。
「ありがとう・・・」
お父さんはいつも、
どんな選択をしても、
私を信じてくれる。
高校でピアノをやめた時も、
美大に進んだ時も、
関西で就職した時も。
お母さんはその度、
鬼のような顔で怒ってたけど、
きっと二人とも、
根本のところはおんなじ。
私のこと、大切に想ってくれてるんだ。
私は幸せなんだな、って。
ふと、愛理ちゃんの生い立ちを思い出してた。
愛理ちゃん、ちゃんと神山くんに言えたのかな。
神山くんなら、受け止めてくれるはずだよね。
車に戻ったら、
章ちゃんがなぜか、
その場でうろうろしてた。
「Aちゃん、
やっぱ俺も見送りした方が良かったかなあ」
「大丈夫だよ。
お父さんと二人で話せて良かったし・・・
章ちゃんのこと、
すっごく優しくて良い人だって、
感心してたよ」
「ほんまに？
良かったあ。
めっちゃ緊張したわ」
「そうなの？」
「そらそうやろ。
結婚許してもらうために、
お父さんに会うって、
初めてやし。
ドラマの中やと、
君にお父さんと呼ばれる筋合いはない、
娘はやらん！みたいな、
やり取りあるやん」
章ちゃんが車に乗り込みながら、
何気なく言った言葉に、
ああ、
麻美さんは既にご両親が亡くなってる、って、
言ってたっけ。
なんて、変なこと、思い出したりして・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
