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「相変わらず、マルはキザやな・・・」
章ちゃん、それだけポツンと呟いて、
そのまま、床に崩れるように、
倒れてしまった。
私も床に跪いて、
章ちゃんを包むように腕を回す。
「章ちゃん、大丈夫？
すごい熱。
こんな無理してまで、
どうして帰って来たの？」
「Aに会いたくて。
連絡すんな言われたけど。
やっぱ、もう無理やった。
苦しくて、勝手かもしらんけど、
これ以上は・・・」
章ちゃんの目が、
熱のせいか、
涙で潤んでる。
その透き通った瞳に吸い込まれて・・・
自分から、キスしてた。
突然過ぎて、
章ちゃん、驚いたみたいで、
一瞬、固まってたけど、
すぐに離された。
「風邪うつる。
けど、めっちゃ嬉しい。
ごめんな。
泣かせてばっかりで。
これからは、
Aにだけ優しい男になる」
「そんなの嫌。
誰にでも分け隔てなく優しい章ちゃんを好きになったんだもん」
「A・・・」
章ちゃんの頬にもう一回、キスする。
「やから、そない、くっついたらうつるから」
「うつってもいいよ。
寂しかったんだから。
連絡しないでって言ったぐらいで、
本当に連絡して来ないなんて。
ひどい。
もう私のこと嫌いになったのかと思った」
「そんなすぐに嫌いになれるなら、
最初から好きになってへん」
章ちゃんが、
遠慮がちに、
私の髪に触れてくれた。
「ごめんな。
寂しい思いさせて。
今も、ほんまはキスしたいけど・・・
あかんから」
言いかけた章ちゃんにまた、
私からキスする。
「・・・Aちゃん、あかんって。
悪い子やな」
章ちゃんが目を細めて、私を見つめてる。
その澄んだ目に映ってるのは、
私だけなのに。
どうしてあんなに不安に取り憑かれてたんだろう。
私はもう、
目の前にいる、
この人しか、
愛せないのに・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
