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差し出されたのは、
透き通るようなブルーのカクテル。
「あの・・・」
「それはサービスいうか、お詫び。
遠慮せずに飲んで」
渋谷さんに促されるまま、
一口、口をつける。
さっぱりしてて甘過ぎなくて、
美味しい。
「ごちそうさまです。
あの、なんのお詫びなんですか？」
「麻美がヤスに迷惑かけたやろ。
そのせいで、
Aちゃんが怒ってるって聞いて。
あれな、元々は俺のせいやねん」
「渋谷さんのせいって？」
「俺な、
麻美が昔、ヤスと結婚してる時、
子供は嫌いや、いらん言うてたん、
知ってたから。
俺も子供なんかいらんわ、て、
本音じゃ子供持ちたい思ってんの、
麻美には隠しててん」
「え・・・」
麻美さんが子供嫌いなんて、
初めて知った。
だから、
章ちゃんとの間に、
子供、いないんだ。
「麻美、それ本気で受け止めてたみたいやねん。
俺は麻美に、
無理強いしてまで欲しなくて、
それだけやったのに。
俺が嫌がるて勘違いして、
あいつ、子供出来たこと、
俺には隠してて・・・」
「そうだったんですか」
「どうしても産みたくて、
おろされへん時期まで隠し通すつもりやってんて。
けどその前に流産してもうて・・・
ショックで寝込んでもうた」
「子供嫌いなのに、
そんなにしてまで産みたかった、って。
どうして・・・」
「・・・麻美、子供の頃に、
災害でお母さん亡くしてな。
お父さんも二十歳の頃に病気で亡くなってん。
嫌いなんやなくて、
子供持つんが怖かったんやろうな」
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年8月10日 16時
