社長がお呼びです。６ (ページ40)

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それから、もう３日が過ぎて、
今日は木曜。

あれから一度も章ちゃんから連絡ない。

竹本部長のところにだけ、電話があって、

東京でトラブル発生したから、
社長代理として一週間、
頼みます、って。

しばらく連絡しないで、って言ったのは私だし、
仕方ないけど・・・

本当に本当に、音沙汰なし。

自分からかける勇気なんて、
とっくに無くしてしまった。

このまま別れる事になったらどうしよう・・・

想像するだけで、涙が溢れてくる。

代わりに、
毎日のように、
丸山先輩が電話くれるようになって。

でも前みたいに、
好きって言われることもなくて。

あの告白なんて、忘れたかのような、
優しいお兄さんみたいな感じで・・・

きちんとした返事をするのが、
おかしい雰囲気で。

だからって、このままでいいわけない。

でも、一人で夜をやり過ごすの辛いから、

毎日のように電話くれる、
丸山先輩と晴子の存在は、
本当にありがたくて、
甘えてしまってる。

仕事終わり。

残業して、
神山くんと、
竹本部長と３人で外に出たら、

裏の駐車場に渋谷さんが立ってた。

ただそこに立ってるだけなのに、
なんだか、佇んでるって表現がしっくりくる。

渋谷さんて、そういう雰囲気のある人だ。

「こんばんは。
あの、社長なら東京に行ってます」

神山くんがそう言ったら、
ちょっと苦笑いして。

「今日はAちゃんに用があって来た。
ちょっとだけ、ええ？」

困った顔して言うの。

「はい・・・」

なんだろ。

渋谷さんと二人なんて、すごく緊張する。

臨時休業って手書きで書いた張り紙が貼ってあるドアを開けて、
迷わずに渋谷さんが先に入ってく。

カウンターの向こうに回って、
カクテルを作ってくれるみたいで、
シェーカーの準備を始めた。